ここから本文です

Juulは電子タバコでいかにして380億ドルもの価値を生み出したのか

2018/12/26(水) 9:17配信

TechCrunch Japan

中毒性のあるプロダクトデザインの秘訣

Juulはタバコではない。それよりずっと手軽なものだ。以下に説明する悪魔的に巧みな製品デザインによって、このスタートアップは人がニコチンの虜になる障壁を大幅に引き下げた。Juulはタバコを一服する道に立ちふさがる、あらゆる障壁を解体したのだ。

その結果は、先週行われたマルボロ(タバコの銘柄)の製造者であるAltriaからの128億ドルの投資を受けて、新しい評価額が380億ドルになったことや、爆発的に広がるティーンエージャーやその他の世代の間での、電子タバコ習慣の広がりとして現れている。ゲームはゲームを知る。この場合Altriaのゲームとはニコチン中毒である。AltriaはJuulの戦術に一歩先行されたことをよく認識していたために、自身の時価総額の10分の1以上の資金を、現金でスタートアップに投資することによって、自身の地位を守ろうとしているのだ。

Juulは、人びとを明らかに危険性のある本物の喫煙習慣から、より健康的だと考えられている電子タバコへと切り替える手助けをできると主張している。しかし実際には、その小さなアルミニウム製のデバイスは、これまで何も吸っていなかった人びとが電子タバコを吸うようになることを助けている。

その中にはやがて実際のタバコの喫煙を始める者も出てくるだろう。ある研究では、これを通してタバコを始める人のほうが、タバコを止める人よりも多いことが示されている。その報告によれば、2015年には2070人の喫煙成人が電子タバコのおかげで実際の喫煙を止めているが、その一方で電子タバコを使ったティーンや若者のうちの16万8000人が日常で本物のタバコ喫煙を始めたと推定している。

Juulはどれほどの速さで全国に広まったのだろうか?調査会社のNielsenによれば、2017年9月に米国電子タバコ市場の27%を占めていたJuulは、現在75%のシェアを占めていると言う。それからの1年で、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)は過去30日間に電子タバコを利用した高校生の割合が75パーセント増加したと言う。それは10代の中の300万人、あるいは全高校生のおよそ20%に相当する数だ。CNBCによれば、2018年のJuulの収益は約15億ドルになりそうだ。

健康への影響はさておき、Juulは生涯続く悪習慣を身に付けることを途轍もなく容易にする。親たち、規制当局、そして潜在的電子タバコ利用候補者たちは、この先Juulの誘惑を抑えたいという希望を持っているならば、なぜJuulがこれほど成功したのかを理解する必要がある。

1/5ページ

最終更新:2018/12/26(水) 9:17
TechCrunch Japan

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事