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医者が教える正しい耳かき術「耳かき必要なし」と話すワケ【動画コラム】

2018/12/26(水) 19:02配信

bouncy

「知っておくと得する医療や医学の知識」について現役医師がリレーでわかりやすく楽しく解説する動画コラム「現役ドクターの動画処方箋」ーーー今回は耳鼻咽喉科医からの、正しい耳かきについての動画処方箋です。

みなさん、耳かき(耳掃除)はどんな時にしていますか?
かゆいから毎日している、お風呂あがりに毎日するのが習慣という人もいるかもしれません。
でも耳かきは2~4週間に1回で十分だって知っていました?

今回は、ついついやりたくなってしまう耳かきについて、正しく学んでいきたいと思います。

耳かき(耳掃除)は必要か?

耳かきは耳あかを取ることを目的にする人が多いと思うのですが、実は耳あかは単なるゴミではありません。もちろん、はがれ落ちた古い皮膚なども含まれますが、抗菌作用のあるタンパク質が含まれていて細菌の繁殖を抑えたり、虫や異物が耳の奥まで入ることを防いだりする働きもあるため、たとえ耳あかがあっても問題はありません。

耳あかは耳の穴から鼓膜までの「外耳道」という部分の外側1/3で作られます。身体の仕組みは良くできていて、作られた耳あかは奥から外側に向かって自然に移動していきます。耳の穴の近くまで出てきた耳あかは、食事や会話などで顎を動かしたり、寝ている間に寝返りをしたりすることで、自然に耳の外に出てきます。

つまり、大人の場合にはほとんど、耳かき(耳掃除)は必要ありません。

参考ですが、アメリカ耳鼻咽喉科頭頸部外科学会のガイドラインでは、機能的に問題がなければ耳あかを掃除する必要はないと提言しています。

耳かき(耳掃除)が必要な人はどんな人?

大人の場合には耳あかは自然に排出されるため、耳掃除はほとんど必要ないことを説明しました。しかし、中には耳掃除をした方が良い人もいます。

赤ちゃん、高齢者、生まれつき外耳道が狭い人、耳の手術を受けて外耳道の構造が通常と異なる人などでは、耳あかが自然に排出されにくく、耳掃除が必要なことがあります。この場合、掃除は自分で行っても良いですが、耳鼻咽喉科へ受診すると、耳あかを直接見て掃除をしてもらえるので、より安全な耳掃除を受けられます。

耳あかの性状によっても排出されやすさが異なります。日本人の約8割は乾いた耳あか(乾性耳垢:かんせいじこう)で、残りの2割が粘っこい耳あか垢(湿性耳垢:しっせいじこう)です。
乾性耳垢の場合には、自然に耳の外に排出されやすいので耳掃除はほとんど必要ありません。一方、湿性耳垢の場合には、自然に排出されないこともあるので、2~4週間に1回程度の耳掃除をしても構いません。

耳あかが大量に溜まって耳が聞こえにくくなったというエピソードを聞いたことがあるかもしれません。これは耳垢栓塞(じこうせんそく)と呼ばれる病気ですが、耳掃除をしないことが原因ではなく、ほとんどの場合、間違った耳掃除で耳あかをどんどん奥に押し込んでいることが原因です。
しかし、高齢者では耳の自浄作用が低くなったり、耳あかが硬くなったりすることで、奥に詰まってしまうこともあるため、難聴や耳の詰まり感などが気になった場合は耳鼻咽喉科に相談してみてください。

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最終更新:2018/12/27(木) 12:56
bouncy

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