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米国で急増…謎の「アルファ・ガルアレルギー」原因はダニ

2018/12/27(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【ニューヨークからお届けします】

 年末年始は家族でおせちなど、おいしいものを囲んで過ごす人が多いと思いますが、食物アレルギーを持つ人にとっては厳しい季節でもあります。

 中でもお肉がディナーの主役であることが多いアメリカ人の間で増えているのが、「アルファ・ガル(Alpha Gal)アレルギー」、通称「肉アレルギー」です。

 牛や豚などの肉を食べたり、ウールなどの動物性繊維に触れただけで、かゆみや発疹、喉の腫れや呼吸困難など、アレルギー症状を引き起こすアレルギーが増加しているのです。ようやくアレルギーとして認知され始めたために、症例の報告が増えてきたと言ってもいいかもしれません。

 この肉アレルギーは、ほかのピーナツアレルギー、小麦アレルギーなどと違って、食べてから数時間後にアレルギー症状が発生するため、アレルゲンとの因果関係がはっきりしにくく、長い間ミステリーでした。

 判明した原因は、ダニ。アメリカ中部から南部にかけて多く存在するローン・スター・ティックと呼ばれるダニが、家畜などの動物の血を吸った後に人間を噛んだ場合、人間の体内にはもともと存在しない、アルファ・ガルと呼ばれる炭水化物を送り込みます。

 人体はそのアルファ・ガルに対して大量のアンチ・ガル抗体を作りだすため、次にアルファ・ガルを含む肉を食べた時、アレルギー反応を起こすメカニズムがあるのです。しかし、全ての肉がダメなわけではなく、鶏肉はOK。人によっては、鹿肉などの脂が少ない肉なら大丈夫ということもあるようです。

 ダニが原因の肉アレルギーには、今のところ治療法はありません。しかし、多くの人が数カ月から5年ほどで自然治癒するとされています。しかし、関係者が問題視するのは、地球温暖化の影響でローン・スター・ティックが北上し、症例がアメリカ北部にも広がってきていること。今後こうした病気の広がりにどう向き合うのか、医療関係者にとっては大きなチャレンジとなりそうです。

(シェリー めぐみ/ジャーナリスト、テレビ・ラジオディレクター)

最終更新:2018/12/27(木) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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