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日本では否定的…妊活中の女性がお酒を控えた方がいいのはなぜ

2018/12/27(木) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【お酒と健康 8つの疑問】

Q 子供が欲しいのでお酒で気分を高めてからエッチしています。ところが友人から「それは生まれてくる子供に良くないのでは……」と言われました。なぜですか?

A 日本では妊婦さんはお酒を飲むのを控えるよういわれているのはご存じだと思います。これは絶対的なルールではありませんし、先進国のなかには“妊娠のストレスを解消するために週に数杯のお酒は禁止する必要はない”というところもありますが、日本の医師の多くは妊婦さんの飲酒には否定的です。

 理由は、お酒を飲むと胎盤を通じて直接お酒に含まれるアルコールが赤ちゃんに届く可能性があるからです。

 胎盤は妊婦さんと赤ちゃんのフィルターのような働きをしており、アルコールはそのフィルターをすり抜けてしまう可能性があるのです。

 生まれながらの病気として胎児性アルコール症候群と呼ばれる病態があります。

 これは、妊婦さんの習慣的な飲酒が原因で、産まれてくる子供に表れる病態です。

 普通よりも頭が小さい小頭症、特徴的な容貌、低体重といった肉体的な特徴以外にも、頭が十分に発達しない状態で産まれてくることによる言語や学習の遅れなどがあるといわれています。

 その影響は乳幼児期だけに限らないといわれています。学童期には発達障害として表れたり、成人になってからはうつ病を発症するなど、子供の人生に大きな影響を及ぼしてしまうことが言われています。もちろん、そのリスクを知っていれば誰も好きこのんで妊娠期に飲酒するはずはありません。妊娠期は産まれてくる子供の能力を決める大切な時期です。

 ただ、人によっては妊娠に気付かずにお酒を飲んでしまっているケースがあるのです。

 むろん、受精卵が着床する超早期の妊娠期の飲酒はそれほど大きな影響を及ぼさないといわれていますが、お酒を飲まないに越したことはありません。

 日本国内の胎児性アルコール症候群の赤ちゃんは1000人に0・1人程度という調査結果がありますが、一説にはもう少し多いのではないかともいわれています。

 いずれにせよ、妊娠中の人は当然ですが、妊娠が気になる人、妊活中の人はお酒は控えたほうがいいかも知れません。

 ちなみに、ノルウェー国立公衆衛生研究所の調査では、妊娠中に飲酒経験がある女性が最も多いのは英国で、妊娠中に飲酒経験のある女性の特徴として、比較的高齢、教育水準が高い、仕事に就いている、喫煙経験があることなどが挙げられるそうです。

(国際医療福祉大学病院内科学・一石英一郎教授)

最終更新:2018/12/27(木) 11:18
日刊ゲンダイDIGITAL

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