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高橋大輔も危機感…男子フィギュアに押し寄せる“後進不足”

2018/12/27(木) 12:00配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 49.48点――。この壁はあまりに高くて厚い。

 24日、5年ぶりとなる全日本フィギュアの舞台で2位になった高橋大輔(32)。大会3連覇を果たした宇野昌磨(21)と50点近くの大差をつけられて上がった表彰台に、「まさかの2位」と苦笑いを隠さなかった。

 全日本は3位以内で世界フィギュア(3月)の出場資格を得るが、高橋はこれを辞退。理由を聞かれ、こう説明した。

「後輩たちが成長して羽生(結弦=24)くんを抜かしていく。(宇野)昌磨を抜かしていく。これから出てくる若い人たちがどんどんレベルアップしてほしい気持ちが、自分が活躍したい気持ちと同じくらいあります」

 高橋が後進育成を見据える先には、層の薄い次世代への危機感がある。

 羽生や宇野に続く世代として期待されるのは、今大会5位でジュニアグランプリ(JGP)シリーズで3度の表彰台に立った島田高志郎(17)を筆頭に、同4位の友野一希(20)、同10位の山本草太(18)らがいる。だが、五輪の表彰台を狙う上で不可欠となる4回転ジャンプの完成度は高いとはいえない。

 今大会で4回転に成功したジュニアの佐藤駿(14)もスーパー中学生と注目されているものの、結果は12位。今回の全日本だけ見ても、絶対王者の羽生不在の中、トップの宇野と4位以下の差は60点以上ある。その宇野も、右足首の捻挫を抱え、万全ではなかった。

 本来であれば、今年の全日本は次世代が食い込む絶好のチャンスだった。しかし、4年間ものブランクがあった32歳の高橋が表彰台という現実は、2022年北京五輪を見据えるフィギュア界にとっては喜ばしいことではない。

 過去の日本男子メダリストの成績を見ると、「飛躍曲線」に、ある傾向がみられる。五輪初出場から3~4年前の全日本で全員が表彰台を経験している。

 日本男子で初のメダリストとなった高橋はトリノ(06年)の3年前、03年の全日本で3位。羽生もソチ(14年)の3年前、11年全日本で3位、宇野は平昌(18年)の4年前、14年全日本で2位だった。この伝でいえば、無名の若手らは遅くとも来季には表彰台に食い込まなければ、メダルを狙えるところまで成長できないことになる。

 高橋の言った「まさか」の言葉には、そんな懸念もあったのかもしれない。

最終更新:2018/12/27(木) 12:00
日刊ゲンダイDIGITAL

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