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土木用建材分野に“アルミ製品“じわり浸透。橋梁検査路など市場拡大期

2018/12/27(木) 6:06配信

鉄鋼新聞

 土木用建材製品にアルミを採用する動きが広がっている。水門や歩道拡幅床版(コンパクトブリッジ)においてアルミ製品が採用されている。昨年からは鉄とFRPに限られていた高速道路の橋梁検査路にアルミを使用することが可能になり、大手エンジニアリングメーカーの受注が増加している。
 土木分野において、鉄鋼やコンクリートに比べて使用開始時期が遅く、価格面で不利なアルミは、主要材料としての認識を獲得するに至っていない。しかしながら、軽量であることによる施工日数の短縮、高耐食性によるライフサイクルコストの低減などの面から再評価されている。
 特に最近では、国土交通省が全国の橋梁とトンネルに対して5年に1度の近接目視を義務付けたことに対応し、2017年に高速道路総合技術研究所が日本アルミニウム協会(土木製品開発委員会)の協力を受けて高速道路設計要領にアルミ製品を追加。これにより橋梁検査路や常設足場にアルミ製品を使用することが可能になった。横河ブリッジと住軽日軽エンジニアリングなどが手掛ける常設足場「Cusa(キューサ)」は18年に5案件で採用されたほか、19年もすでに1件当たりの数量としては過去最大規模の大型案件での採用が決まっている。
 このほか緊急仮設橋梁床版でも、鉄鋼に続いてアルミ製品が少しずつ採用され始めた。近畿地方整備局は、南海トラフ地震による橋梁の流出した場合を想定し、地震発生から3日以内に60メートル級の仮設橋を架設する方法を検討する中、軽量かつ高強度という観点からアルミ製品を採用した。災害の多発に伴い、緊急輸送路の必要性は増大しており、「運搬・急速施工が重要な仮設橋にアルミ床版の採用が増えることが予想される」(日本アルミニウム協会)としている。
 このほかにも高潮や津波の危険性がある地域では水門や陸閘において、軽量であるため開閉装置のコンパクト化が可能なアルミ製品が活躍している。東日本大震災以降、水門・陸閘の改修や新設需要が増加しており、16年までに400基のアルミ合金製水門・陸閘が建設されている。
 国内のアルミマーケットにおいて、土木建材分野は鉄鋼に比べて進出が遅れていた分野だった。今後、国内で高速道路や橋梁、トンネルなどのインフラ更新が実施されていく中で、アルミ製品がどれだけ採用を広げられるかが焦点となる。日本アルミニウム協会も「土木分野でアルミ製品の普及促進に注力したい」と市場拡大へ前向きに取り組む構えを示している。

最終更新:2018/12/27(木) 6:06
鉄鋼新聞

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