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PERSONZ、活動35周年を目前に控え見せた今なお“成長する”姿:レポート

2018/12/27(木) 15:49配信

MusicVoice

 ロックバンドのPERSONZが12月9日に、ワンマンライブ『[35th ANNIVERSARY EVE TOUR] Single Selection【Special!】』を東京・六本木のEX THEATER ROPPONGIでおこなった。その模様を以下にレポートする。【取材=桂 伸也】

 2018年3月には、2011年に年間を通じて毎月リリースした「LIMITED SINGLES 12」の、表題曲を集めた作品集『[2011] LIMITED SINGLES12+1』をリリースした彼ら。来年、活動35周年を迎えるにあたり強い意気込みを感じられるのは、敢えてこのアルバム、そしてこれに準じたツアーをおこなったことからもうかがえるところである。

 そしていよいよツアーのファイナルを迎え、2019年の活動の試金石ともなったこの日のライブ。2019年への大きな盛り上がりを示すかのように、この日のライブもまたPERSONZMANIA(PERSONZファンの呼称)の放つ熱気に包まれた、熱狂のライブとなった。

 会場は開始予定時刻から少し遅れてゆっくりと照明が落とされ、観衆の歓声を誘う。そしていきなりけたたましいドラムの音が。やがてその音はシャッフルのリズムを刻み、会場に訪れた人々の気持ちを煽る。その煽りにまさにのせられるように、観衆はリズムに合わせて手拍子を打ち始める。そして会場が熱を帯び始めたころ、ドラムスの藤田勉、ベースの渡邉貢、ギターの本田毅、その3人がそれぞれ右腕を上げ、観衆の歓声に応えながら会場に現れる。そしていよいよJILLがステージ中央に。「MAYBE CRAZEE,I LOVE YOU!」興奮する観衆に向けてJJILLが第一声を上げる。そしてステージはスタートした。

 「MAYBE CRAZEE」「MARQUEE MOONを聞きながら」と、PERSONZMANIAとしては外せないキラーなナンバーが序盤から続き、会場は開始から総立ち状態。PERSONZのライブではいつも見られる光景ではあるが、それをこの長きに渡るバンドの歴史の中で続けてきたことを考えると、それは彼らにとって努力の末に築き上げた、大きな功績ともいえるだろう。

 「変わってないと言われていますが、変わっていないどころではありません、(私たちは)パワーアップしています!」現在の自分たちをそう語ったJILL。その言葉をそのまま表現するかのように、分厚いロックな、そしてポップでありながら毒気を帯びるような彼らのサウンドが、会場を埋め尽くす。堅実ながら要所で巧みなテクニックも感じる藤田と渡邉のリズム。まさにロックギタリストはこうあるべき、とサウンドからパフォーマンスまで熱いエネルギーをステージに注ぐ本田のギター。そしてパワフルで伸びやかなJILLのボーカル。

 特にジャズなどのジャンルでいわれることだが、ボーカリストの声は、年を経るごとに“枯れる”と表現されることがある。それは、若いころに見えた艶やかさ、伸びなどは衰えながら、そのメロディの響きに円熟味を感じさせるよう変化していく様を表現する際に使用するものだ。しかしJILLの声には、まったくそれが当てはまらない。張り、響きに衰えなどみじんも感じさせないその声。かつ人々をひきつけてやまない多彩な表現。現在の日本のロックシーンから見ても、抜きん出たボーカリストであると認めざるを得ない。まさしく冒頭で彼女が言った「パワーアップしている」ということを納得するほかない、という有様だ。

 1991年、新しいサウンドを生み出すことに悩みながら作り上げたアルバム『MOVE』、その収録曲「TRUE LOVE(涙にぬれて…)」。2008年に、アルバムを作るにあたり、一つのコンセプトとなる物語に従ったアルバムを作るという初めての試みとともに作り上げた『HEART OF GOLD』、その作品に収められた「BRAVE HEART」。さらにJILLの声が降り注ぐように聴くものの胸に響いていく「HALLELUJAH」。様々なPERSONZの名曲が、流れるように紡がれていく。

 まもなく訪れる「平成」の時代の最後。かつて日本の元号が「平成」となった時、実は彼らはアルバムのミックスダウンのため、日本にいなかったということを振り返り「今度は(時代の変化に)立ち会いたい!」と宣言。JILLのその言葉は、PERSONZ自体の歩みがまだ止まるものではない、そしてかつアクティブなものであることを指示しているようでもあった。

 ステージの最後は、彼らのヒットナンバーの一つ「7 COLORS(Over The Rainbow)」で盛大な盛り上がりを見せたが、飽き足りないとアンコールをせがむ観衆の声に応えて2度のアンコールを実施。「Magic Moments」「TOKIO'S GLORIOUS」、そしてPERSONZのステージのラストナンバーとしては定番の「DEAR FRIENDS」で一度ステージを締めくくるが、さらに沸き起こった観衆の声を止めることはできず、まったく予定されていなかった3度目のアンコールへ。パワフルでエッジの効いた「MIGHTY BOYS-MIGHTY GIRLS」でようやくステージは終わりを迎え、彼らは35周年を迎える2019年に向けて、大きな弾みをつけた。

最終更新:2018/12/27(木) 15:49
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