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“電力量計”で在宅判断してルート作成! 「不在配送」92%削減の宅配システムがすごいかも

2018/12/27(木) 18:30配信

FNN PRIME

宅配便の「再配達」が問題視されて久しいが、在宅時になかなか受け取れないという人も、まだ多いのではないだろうか?
国土交通省の発表によると、今年10月に「再配達」された宅配便は全体の約15.2%だったという。
同省では、2020年度には再配達を13%程度にすることを目標に掲げているが、去年から減った数字はわずか0.3%にとどまっており、残り2.2%を減らすのはなかなか難しいような気がする。

【画像】どれだけ効率的? システム有無で宅配ルートを比較


再配達にかかる手間は、今や大きな社会問題になっている。
国交省が2015年に発表した「宅配の再配達の発生による社会的損失の試算について」によると、再配達に費やされる労働力は年間で実に9万人に匹敵。
再配達によるCO2排出量は、山手線の内側2.5個分と同じ広さのスギ林の年間CO2吸収量に相当するという。
一説には、再配達の社会的損失コストは数千億円にも及ぶとされている。

そんな再配達をこの世から一掃するかもしれない画期的なシステムが12月24日に発表された。
その名も、不在配送ゼロ化AIプロジェクト!

在宅が予測される家を検知し、配送ルート作成

これは東京大学の研究室と東大発のAIベンチャー企業「日本データサイエンス研究所」などが参加するプロジェクト。
スマートメーターという電力量計のデータをAIが学習することで、配達時に在宅が予測される家から優先的に配送するルートを自動生成し、スマホなどに表示するという。

これまでの電力量計は月に1回、人間が検針していたが、東京電力によるとスマートメーターは30分ごとの電気使用量を計測し、通信機能によって電流値などをリアルタイムに把握することができるそうだ。

このシステムがうまくいけば、配達したが不在だったという空振りをかなり解消することができるのだ。
そして、AIとスマートメーターを活用する仕組みを使って2018年9月6日~10月27日に東京大学構内で配送試験を実施したところ、なんと98%の配送成功率を達成!
人間がルートを考えていたときと比べて、不在配送は92%削減でき、さらに移動距離も5%短縮したという。


このプロジェクトは今後、自治体での実証実験に取り組み、2022年度中の実用化を目指すという。
ただ、家庭の電力データを使うというプライバシーの問題もあるが、東京大学の越塚登教授はこう述べている。

「配達の順番を決めるというプライバシーに関わる処理は、人ではなくAIが行うので、プライバシーは他の人から守られます。これを発展させて考えると、人に知られたくないこと、プライバシーに関わることは、むしろ積極的にAIやロボット、機械に担ってもらうという新しいサービスコンセプトが、今後はあらゆる局面で重要だと考えています。」

このシステムが利用され始めたら国交省の目標もあっという間に達成できるのではないか?
自身も東京大学出身で、日本データサイエンス研究所の共同創業者でもある大杉慎平さんに、システムの仕組みや実用化までの課題ついて聞いてみた。

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最終更新:2018/12/27(木) 18:30
FNN PRIME

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