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サイバー防衛システム、“中国外し”で国内勢に好機

2018/12/27(木) 19:39配信

ニュースイッチ

防衛大綱で見えてくるビジネスチャンス

 政府が閣議決定した2019年度以降の新たな防衛大綱では、サイバー攻撃や宇宙戦、電磁波攻撃など新領域の戦争への対応力強化も定めた。19年度予算案で宇宙関連経費は896億円、サイバー関連経費は223億円をそれぞれ盛り込んだ。宇宙監視では米軍や国内関係機関と連携し、監視用レーダーや運用システムを取得するとしたほか、サイバーでは内部侵入などの攻撃防護に向けたクローズ系システムや、自衛隊へのサイバー攻撃手法の情報収集を行うための装置費用などを盛った。

 戦闘がかつての大砲の撃ち合いからレーダーやセンサー、統合指揮システムといった電子技術の戦いになるにつれ、情報通信ネットワークを守る必要はますます高まっている。

 実戦闘でミサイルが発射されなくても、妨害電波などの無力化攻撃で指揮系統がまひし、事実上“敗戦”する事態も起こりうる。

 日本はサイバー攻撃に対応できる部隊として、19年度末時点で人員を現在の150人から220人に増やす。しかし、例えば米国は約6000人、中国は約10万人もの専門部隊を持つとされており、人員の“質”を高めるだけでなく、“量”の確保も急務だ。

 サイバー関連の人材は民間企業の間でもひっぱくしている。防衛省が必要能力を確保するには専門家の任期付き採用や、先進企業との交流も積極的に進める必要がある。

 一方、中国は17年6月施行の「国家情報法」で、組織や個人が国の情報活動に協力する義務を負うことを明記した。こうした動きに特に米国は警戒感を強めており、サイバー攻撃に利用される恐れがあることから、中国通信機器大手の華為技術(ファーウェイ)と中興通訊(ZTE)の通信機器の使用を事実上、禁止した。

 これに歩調を合わせ、日本も10日、各府省庁が情報通信機器を調達する際、中国製品を事実上排除する申し合わせを行った。欧州など他の海外諸国も同様の規制に動いており、通信機器メーカーや半導体メーカーは、代替需要でビジネスチャンスが広がりそうだ。

日刊工業新聞・嶋田歩

最終更新:2018/12/27(木) 19:58
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