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水族館デート、このまま終わらなければいいのに 「やがて君になる」13話

2018/12/28(金) 23:00配信

ねとらぼ

 人を好きになるって、なんだかとっても難しい。「やがて君になる」は、思春期に体験する「止められない恋」と「恋がわからない」気持ちを繊細に描いた作品。しっかり者なのに好きな人に甘えてしまう先輩と、人を好きになれない後輩の、ちょっぴり厄介なガールズラブストーリー。

【マンガの続き】

今までのあらすじ

 超完璧優等生に見えて、実は頑張りすぎている部分がある七海燈子。後輩の小糸侑(ゆう)は彼女の支えになろうと考えて、生徒会を手伝うことになった。燈子は生徒会職務を忙しくこなすかたわら、侑と2人きりだと甘えっぱなし。激しくキスを求めたりと、少々暴走気味。

 侑はそれが嫌ではなく、むしろ心地良いと感じていた。ただ彼女は「私を好きにならないで」という燈子の願いに、縛られ続けてしまう。

 死んだ姉のように立派になりたいと願う燈子は、生徒会劇を完成させようと努力していた。ところが練習合宿の日、かつての姉を知る人から、姉と燈子は似ていないといわれ、困惑。侑は燈子の様子を見かねて、自分の家に誘う。ベッドでキスをしながら、燈子は「侑は私のこと好きにならないでね?」と再確認してきた。

燈子の哲学

 燈子と侑は「人を特別に思う」という感情を通じて、自己のありかたについて考える域に達しています。これって哲学じゃない?

 侑から誘った水族館デート。イルカのショーで思いっきり水を浴びるなどしてはしゃいだ後、唐突に燈子が言います。

 燈子「侑が好き」

 侑「……先輩ってよくそんなさらっと好き……とかいえますよね」

 もう散々言っているので、侑も揺らいだ顔は見せていません。

 燈子の「好き」は、文字通り侑への思い。ただ、彼女がわざわざ言葉にするのは、安心したいかららしい。

 燈子「ほかが全部にせものでも 侑のこと好きな部分は私だって言い切れる だから安心 かな」

 燈子は、優等生を貫いて姉のようにならなければいけない、という思いと、そうしている自分への嫌悪、弱くて甘えてしまう自分、さまざまな主観と客観入り乱れて、自我を見失っていました。

 侑に出会い、恋をした燈子。自分の人格やありかたが今はわからないけれども、「侑が好き」という操作できない感情で、自分自身の真の自己を確認できる、という思考です。

 「我思う故に我あり」的感覚っぽいですが、侑に対しての依存がかなり大きめ。侑がいることで一筋の光があるとはいえ、いなくなったらまた自分を見失ってしまうような状況。これでは、いつまでたっても迷走が収まらない。侑の気持ちを考える余裕すらない。

 侑はその点、ちぐはぐな燈子の考え方に対して「矛盾しててもいいんじゃないですか べつに」と、客観的な考え方を持っています。肯定も否定もしていないのがミソ。

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最終更新:2018/12/28(金) 23:00
ねとらぼ

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