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オウム死刑執行、現役の僧侶が「恐れること」ネットに集まる悩み お寺の「リノベ」めざしウェブで人生相談

2018/12/30(日) 7:00配信

withnews

 平成という時代を揺るがしたオウム真理教の事件をめぐり、今年、松本智津夫元死刑囚ら元幹部の死刑が執行されました。僧侶である井上広法さんは、オウム事件当時は普及していなかったインターネットを使って人生の悩みに答える「hasunoha」を運営しています。「オウムを生んだ社会は、今も変わっていない」と語る井上さんの言葉から、伝統仏教が果たせる役割について考えます。

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きっかけは東日本大震災

 井上さんが「hasunoha(https://hasunoha.jp/)」を開設したのは2012年のこと。きっかけは東日本大震災でした。将来への不安が広がる中で、悩みの受け皿になろうとスタートしました。

 背景には伝統仏教への危機感がありました。人口減少や、若者のお寺離れなどから、お寺を支えてきた檀家(だんか)制度は揺らぎはじめています。

 「hasunoha」開設前も、自身のお寺で人生相談のイベントなどを開いていた井上さんは「hasunoha」を通じて人々とお寺との距離を近づけようと活動しています。

「今も変わっていない」

 そんな井上さんが、オウム事件の死刑執行を知った時、考えたのは「オウムを生んだ社会は、今も変わっていない」ということでした。

 悩みを抱えている人に対して社会は今も「見て見ぬふりをしている」という井上さん。

 「第2、第3のオウムは、実は生まれているかもしれない。でも、それは前よりも小さくなっていて、見えないだけかも」と感じているそうです。

「お寺が風景の一つになっていた」

 なぜ、オウム真理教の信者だった人たちは、伝統仏教に救いを求めなかったのか?

 井上さんは「お寺が風景の一つになっていた」と指摘します。

 「風景は背景。あるようで存在していないようなものになっていた」

 その理由は「チャンネルの少なさ」にあったと言います。「お寺が人と接するのは死んだ後だった。仏教の知見はそれだけじゃないのに、悩みを持っている人の受け皿になっていなかった」。

 井上さんは、今の時代、世代によって様々なチャンネルが必要だと訴えます。

 「30代ならマインドフルネスのようなものがフックになるかもしれない。子育て支援でもいい。60代なら健康。それぞれの世代の引き出しチャンネルがあるはず」

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最終更新:2018/12/30(日) 7:00
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