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“冷凍パン”の市場伸長 背景にパン店の人手不足、インバウンド拡大も追い風

2018/12/29(土) 12:10配信

食品産業新聞社ニュースWEB

冷凍パン市場が堅調な伸びを見せている。ベーカリーショップは減少傾向にあるものの、慢性的な人手不足から、店舗内で粉から手づくりする“スクラッチ製法”を、一部、冷凍パン生地や焼成済み・半焼成済み冷凍パンに置き換える事業者が増えている。

業務用冷凍パン生地市場は17年度、1,300億円強と前年比2~3%拡大しているのに対して、焼成済み・半焼成済み冷凍パンは270億円強と、規模は小さいものの、前年比7%強伸びている。背景には小規模製パン企業や街のパン屋の廃業もあるが、今後国際イベントを控えてさらに拡大が予想されるインバウンド需要に対して、受け皿となるホテルや外食業態では特に焼成済み・半焼成製品が伸びると予想される。以下に各社の動向をまとめた。

〈外販向けは拡大続く 家庭用にもチャレンジ/山崎製パン〉

山崎製パンの冷凍パン生地事業の今期の動きは、外販向けが拡大し、前年同期比微増で推移している。「外販向けの拡大は続いており、自社業態向けと半々に近いところまできた」。また、これまでは冷凍生地を中心に事業を進めてきたが、家庭用への焼成済み冷凍パンの投入、細分化した外販向けのニーズへの対応など裾野を広げていく考えだ。

家庭用では今期、焼成済み冷凍のハード系のパンを市場に投入した。ミニタイプのフランスパンなど、業務用で引き合いのある本格的なパンを発売。オーブンでリベイクするタイプの商品だ。「当初は自然解凍してからオーブンで焼くという商品設計を考えていたが、冷凍状態から焼く方が、生地に水分が残り美味しくなることが分かった」。来期は子どもや高齢者にも食べやすい柔らかいパンの投入を計画する。

〈カフェ業態に加え、ホテルなどへ販路拡大を目指す/JCコムサ〉

ジェーシー・コムサの冷凍パン事業ではナン、トルティーヤ、フォカッチャ、ピタパンといったエスニックブレッドおよび、マンティンガ社(リトアニア)の輸入冷凍焼成パンを、業務用ルート中心に展開している。ピザを含む冷凍事業の17年度売上高が45億円ほどのうち、冷凍パン事業は約29億円の売上をあげた。今年度ここまで(4~11月)の売上高は5~6%増と好調に推移している。

2013年度からパートナー企業として販売に取り組む、バルト3国最大規模の製パンメーカー・マンティンガ社(リトアニア)の焼成パンの17年度売上高は、2ケタ増の1億円強だった。マンティンガ社の製品は完全に焼き切らない「半焼成」の状態で冷凍しており、オーブンで焼いて仕上げるだけで、外はパリッと、中はふんわりソフトな焼き立てパンを提供できるのが特長。

ジェーシー・コムサでは、これまで取り扱ってきた「バゲット ガーリックバター」に加え、18年12月から「ミニフレンチロール」「バター入りハーフバゲット」をラインアップに追加。さらに、近いうちに400~500gの高品質大型パンを導入予定で、これまでのカフェ業態などに加え、ホテルなどへの販路拡大を目指す。

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