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更年期 侮るなかれ!恐れるなかれ! 更年期真っ只中にある女性産婦人科医からのメッセージ

2018/12/29(土) 16:44配信

BuzzFeed Japan

一人歩きする「更年期」という言葉

先日、「M-1 グランプリ2018」直後の飲み会で、若手男性芸人が審査員である先輩の大物女性芸人、上沼恵美子さんに対し「更年期障害か?って思いますよね」という言葉を用いて批判する動画をSNSでアップし、炎上。すぐにお詫びとともに削除されたことが話題になりました。

私もお笑いは大好きで、今年は見逃したものの例年その番組を楽しみに見ており、上沼さんの歯に衣着せぬ批評も嫌いではありません。

ダメなものはダメ、嫌なものは嫌、とはっきりした物言いはむしろ痛快とも思っていたので、そのことを「更年期障害か?って思いますよね」という言葉で非難するなんて負け惜しみにしか聞こえなかったです。

さらに上沼さんの年齢は63歳と知った瞬間、「そもそももう更年期じゃないし!」と心の中でツッコミを入れてしまいました。

「ある一定以上の年齢の女性は、どうもイライラしたり、汗をかきやすかったり体調が悪くなるらしい。」「それを更年期(障害)というらしい」

そんな認識が定着してきたのはいつ頃からでしょうか?

人知れず思い悩み、「嵐」のように体調が変化する数年間を耐え続けた人も少なくなかったと聞きます。それを周知するのにテレビや雑誌などのマスコミの力が大きかったのは否定できません。それこそお笑いの力も。

10年ほど前でしょうか? 私と同年代の「アラフォー女性芸人」もそんな体調の変化を「自虐ネタ」に使っていましたね。周知されることで治療につながり、楽に過ごせる人が増えてきたのは間違いありません。

しかし一方で、ネガティブなイメージも強化してしまったのでは、という気もしています。

今回のように、その年代の女性が、批判的な発言をすると、理にかなっていても「訳もなくイライラしている」と受け取られ、それを揶揄するネガティブなニュアンスで「更年期」という言葉が使われるようになってしまっています。

そして、そんな風潮からか更年期に入ることを過剰に恐れ「更年期じゃないか心配」といって受診する若い女性も増えている印象があり、人気のチコちゃん風に「なんもかんも更年期のせいにしてんじゃねーよ!」と叫びたくなることがしばしばです。

このように、「更年期」という言葉が理解のないまま一人歩きし、今回のように当事者の女性たちを傷つけていることは何とかしなくてはなりません。今回は、この「更年期」について、産婦人科医として、そして更年期の真っただ中にある当事者の目線も含めて書いてみたいと思います。
【寄稿:江夏亜希子・産婦人科専門医 / BuzzFeed Japan Medical】

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最終更新:2018/12/29(土) 16:44
BuzzFeed Japan

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