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マティス国防長官の辞任が、2019年の世界にとって「決定的な悲劇」と言える理由

2018/12/29(土) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

12月25日、クリスマスの東京市場。日経平均株価は1000円以上の値下がりとなり、日経平均は2万円を大きく割り込んだ。前日のニューヨーク市場での653ドル安という大幅下落を受けての連鎖的下落とみられる。26、27日と東京市場は反発して2万円台を回復したが、先行きは不透明な状況だ。

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トランプ政権の混乱はこれまでも株価に少なからぬ影響を及ぼしてきたが、このたび発表されたジェームズ・マティス国防長官の辞職は、他の政府高官の辞職とは比べものにならない大きな意味を持つ。

ここ数日の株価の乱高下は、そのことを市場が読み取ったからだと、筆者は考えている。米議会が「つなぎ予算」を策定できず、政府機能が一部閉鎖されたことが下落に拍車をかけたが、これは2018年ですでに3度目のことであり、経済基盤を揺るがすような話ではない。

米軍シリア撤退は中東の「火だね」になる

マティス氏は、トランプ大統領が下した「シリア、アフガニスタンからの米軍即時撤退」という決定に対し、「同盟国に対する配慮と信頼維持が必要である」として、トランプ大統領に再考を促したが、受け入れられず辞任した。

ウォール・ストリート・ジャーナルの記事(2018年12月24日付)によれば、トランプ大統領とトルコのエルドアン大統領が電話会談を行い、米軍が撤退した後の空白地帯にはトルコ軍が入り、「イスラム国(IS)」の押さえ込みをはじめ地域安定化を肩代わりすることで合意したという。

しかし、シリア国内のクルド人組織にとって、天敵とも言えるトルコ軍が、同盟関係にある米軍に代わって居座るなどという事態は到底受け入れられない。クルド人組織とトルコ軍の間にそのうち紛争が起きることは、火を見るより明らかだ。

そうなれば、クルド人組織はアメリカと対立するアサド政権に援助を求めるだろう。シリアの混乱はいっそう複雑になる。さらに、新たな紛争が始まれば、欧州への脱出を図ろうとするシリア難民も再び増えることになる。難民の受け入れによって現在の政治不安が生まれたドイツなど、欧州各国がトランプ大統領の撤退判断に反発するのは当然のことだ。

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最終更新:2018/12/29(土) 8:10
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