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TPP発行で著作権保護が70年に 作品の死蔵を防ごうと署名活動が始まった

2018/12/30(日) 18:40配信

BuzzFeed Japan

アメリカを除く環太平洋経済連携協定(TPP11)が12月30日、発行した。巨大な自由貿易圏が誕生しただけでなく、著作権をめぐっても大きな変化があった。著作権保護期間の死後50年から70年への延長だ。【BuzzFeed Japan/ 古田大輔】

創作者の権利がより長く守られ、その恩恵を子孫が受けとる。一方で、70年も保護されてしまうと、その分再利用が難しくなり、権利者が誰かわからなくなったり、死蔵されたりしてしまう作品も増える。

「著作権保護期間の延長を考えるフォーラム(thinkC)」では保護期間の延長派・慎重派それぞれの論点をまとめ、議論を尽くしてきた。その中では、延長はメリットよりもデメリットが大きいという意見が大勢を占めていた。

TPP11発行に伴う著作権保護期間の延長を受けて、ネットでは「著作権保護期間の延長を乗り越えて、作品を死蔵から救うためのしくみを進めよう!」と署名活動も始まった。

「流通促進が、次の世代や世界への責任」

署名活動の発案者の一人で、著作権に詳しい福井健策弁護士はBuzzFeed Newsの取材に「保護期間が伸びたことは残念。筋が通らないが、非難や責任の話をしても変わらない。作品の死蔵を防ぎ、流通を促進することが、次の世代や世界に対する責任だ」と話す。

「作品を忘却や散逸から守り、次世代と世界に伝えるため」に、この署名活動では以下の4点などを求めている。

・絶版など市場で流通していない作品の保存と活用策
・権利者不明作品への対策
・権利者が自ら作品のオープンな利用ルールを宣言する仕組みの普及
・日本だけが一方的に保護期間の加算を義務づけられている「戦時加算」の解消努力

この四つのポイントで、具体的にどういった方策を取りうるのか。福井弁護士に解説をしてもらった。

1. 絶版など市場で流通していない作品の保存と活用策

「アメリカでは1990年代に保護期間を20年伸ばした際、最後の20年については絶版などで市場に流通していない作品ならば、権利者の許可なしでも非営利の電子図書館などにアーカイブできる法改正をしました」

「流通していない作品であれば、子孫ら権利者にとっても金銭的なダメージはほとんどありません。この手法だと、日本の場合は青空文庫などの活動にプラスになります。フランスはさらに進んで、20世紀の出版物については、絶版であれば広くデジタル利用を可能にした立法例もあります」

「国会図書館は絶版の資料については、権利者の許可なく全国の図書館等へ配信できます。権利者や出版社に利益配分しつつ、この対象を更に広げようという意見もあります」

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最終更新:2018/12/30(日) 18:40
BuzzFeed Japan

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