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【ゴーン前会長事件】裁判所元幹部が語る日本の司法が変わる可能性

1/1(火) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(64)が、私的な損失を日産に付け替えて損害を与えたなどとして、ゴーン前会長を会社法違反(特別背任)の疑いで東京地検特捜部に再逮捕された事件。

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刑事司法に携わる人たちを驚かせたのは、再逮捕の前日に検察が求めたゴーン前会長の勾留の延長を、東京地裁が認めなかったことだ。

特捜部が捜査する事件で、裁判所が容疑者の勾留延長を認めないのは、極めて異例だ。東京地裁はさらに、勾留の延長を認めなかった理由も報道各社に公表した。

裁判所の要職を歴任してきた元裁判官が匿名を条件に取材に応じ、

「司法制度改革を契機に、身柄の取り扱いを含め日本の刑事司法は変わりつつある。かつては、検察が勾留を延長したいと言えば、裁判官もよほどのことがなければ認めてきたが、身柄の取り扱いに関する判断は厳格化し、可能な限り身柄の拘束を回避しようという流れが生じている」

と話した。

2度の逮捕はほぼ同じ犯罪事実

ゴーン前会長が最初に逮捕された容疑事実は、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)で、2010年度~2014年度の5会計年度分の役員報酬を50億円ほど少なく有価証券報告書に記載したというものだった。

そして、2018年12月10日に再逮捕された際の容疑事実は、2015年度~17年度の3会計年度分の報酬についても、約40億円を有価証券報告書に記載していなかったとされる。

2度目の逮捕は、1度目の逮捕容疑とほぼ同じ犯罪事実だが、直近の3会計年度分を立件した形だった。

通常、特捜部が逮捕した容疑者については、10日間の勾留をさらに10日間延長し、20日間の勾留を経て起訴することが多い。

ゴーン前会長についても、1度目の逮捕では20日間の勾留を経て12月10日に起訴され、同じ日に再逮捕された。

裁判所の元幹部は、

「ほぼ同じ事実での再逮捕は、いわば本丸として立件を目指していた特別背任を固めるうえで、もう少し時間がほしいという検察の慎重さの現れだったのでは」

とみる。

2回の逮捕の間に容疑者を勾留できる期間は、最長で40日。この間に「本丸」の特別背任容疑でゴーン前会長を逮捕する証拠を固めたい、というのが検察の意図であったと推測され、これまでは裁判所も、結果として検察側の求めるまま、勾留を認めてきた面があった。

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