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九州新幹線で貨物輸送 JR検討 初の事業化

1/1(火) 11:47配信

西日本新聞

 JR九州は新幹線を活用した物流事業への参入検討を始めた。九州新幹線(博多-鹿児島中央)の既存ダイヤと車両を活用、乗車率の低い便で乗客と貨物を同時に運ぶ。2019年には宅配事業者などとの調整を開始、駅や車内での作業内容などを確認した上で、一定の採算性が見込めれば事業化する。物流業界で人手不足が深刻化する中、新幹線を活用して収益向上につなげる狙いだ。

 新幹線を使った貨物輸送は短期間のイベントや試験的に行われたことはあるが、事業化は初めて。

 貨物輸送では6、8両編成で運行している既存ダイヤと車両をそのまま使用。早朝や深夜など乗車率が低い時間帯に、車両のうち1両を貨物専用にして荷物を運ぶ。配送区間は博多-鹿児島中央間を想定しており、需要があれば、熊本でも取り扱う可能性がある。今後、効率的な貨物の積み降ろし方法や、積載時の座席シートの保護方法などについて検討や準備を進める。

 JR九州の鉄道事業は18年3月期決算で282億円の営業利益(単体)を確保したものの、株式上場に伴う経営安定基金の取り崩し効果などを除くと、実質的には約20億円の赤字。地方の過疎化や人口減少が進む中、新幹線を含めた鉄道事業全体の収益力向上が課題となっており、物流事業で新たな収益源を確保したい考えだ。

 以前は夜間に貨物専用新幹線を走らせる案も検討されたが、保線や施設の点検作業に支障が生じるため断念した。新幹線物流が軌道に乗れば在来線特急も活用し、九州の主要都市間での貨物輸送も検討したいとしている。

人手不足対策 CO2排出削減 収益向上で一石二鳥

 JR九州が検討している新幹線を活用した物流事業は、人手不足や二酸化炭素(CO2)排出量対策など運送会社の課題解決と、自社の収益向上という一石二鳥の可能性を秘めている。

 ネット通販の台頭などで貨物輸送量が増大する中、物流業界ではトラック運転手不足が深刻化。より少ない人員で運べてCO2排出量も削減できる、貨物列車やフェリーを使った運送方法に切り替える「モーダルシフト」が進んでいる。

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最終更新:1/1(火) 11:47
西日本新聞

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