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救急車、ETC通過OK 「一刻も早く」の願い実現 全国初、佐賀県と西日本高速道路が協定

1/1(火) 14:48配信

佐賀新聞

 高速道路を使って患者を搬送する救急車。一刻を争うのに自動料金収受システム(ETC)レーンを通れず、有人料金所の車列に並ばなければならない-。こうした事態を解消しようと、佐賀県は2019年初めにも、救急車のETC利用を可能にする協定を西日本高速道路(NEXCO西日本)と結ぶ。全国を網羅するNEXCO3社で初めての試みになる。渋滞を避け、一人でも多くの患者を救うための取り組みが佐賀県発で始まる。

現状、有人料金所の出入り口で申告

 救急車や消防車など緊急車両は法律に基づき、高速道路を無料で通行できる。現在、救急車は有人料金所の出入り口で救急搬送であることを申告し、通行している。ETCを使えば料金所で車を止めなくても通過できるが、通行記録からは救急搬送かそれ以外の通常の利用か判別しにくく、ETCは利用されていなかった。

 県とNEXCO西日本の協定では、各消防本部が自前でETC車載器を設置する。同社は救急業務専用のETCカードを発行し、通行記録を取る。県はその記録を受け取り、消防本部に照会して救急搬送だったかどうかを確定させる。

広域での対応は全国初

 救急車のETC利用は首都高や阪神など「自動車専用道路」の都市高速で実施しているケースもある。NEXCO西日本でも高速道路上で事故が起きた場合を想定し、沿線の消防署に限定して救急車のETC利用を一部認めてきたが、佐賀県のような広域での対応は初めてとなる。

産科医の訴えがきっかけ

 救急車のETC利用のきっかけになったのは、佐賀県西松浦郡有田町の産婦人科医院「岸クリニック」の岸展弘医師(60)の訴えだった。岸さんは年に数回、救急車に同乗し、胎盤早期剥離や切迫早産の患者を長崎県佐世保市などの3次救急医療機関に搬送することがある。一分一秒を争う病状でETCレーンを通れず、係員を呼び出して申告する時間のロスに疑問を感じていた。

 岸さんは、費用を出すから救急車にETCを搭載してほしいと消防や自治体に要望した。「数年前からお願いしてきたが実現せず、半ば諦めていた。今回の協定は患者にとって必ず利益になる。うれしく思う」と話す。

 救急搬送でどれくらい高速道路を利用しているかの統計はないが、伊万里・有田消防本部によると、搬送先の場所から類推し、17年からの過去4年間で約650件ほど利用しているとみられるという。

最終更新:1/1(火) 16:05
佐賀新聞

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