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七戸産カシス、フル活用 栄養豊富な残さをパウダー化 みやきんと八高専共同研究/青森

1/2(水) 15:49配信

デーリー東北新聞社

 地元産カシスの栄養分をフル活用―。青森県七戸町の「お菓子のみやきん」(宮沢一史社長)が、これまで廃棄していた種などのカシスの残さを使った菓子の開発に取り組んでいる。八戸高専の山本歩准教授と共同で研究を進めており、残さをパウダー化してどら焼きのあんに加えるなどして活用。豊富な栄養分を生かした新たな商品展開を目指す。

 カシスはビタミンやミネラルを豊富に含む果実で、ニュージーランドのほか、北欧やカナダで栽培。寒冷地でも育てられる果実として日本にも持ち込まれた。全国でも生産量が多いのが青森県。生産量の9割近くを占め、青森市や七戸町などが主な産地だ。

 同社は2007年から自社農園で、農薬を使わずにカシスを栽培。そのエキスを抽出してゼリーやロールケーキに加工してきた。売れ筋のドリンク分の原料は外部に頼ってきたが、16年に委託先が廃業したため、全て自社調達に切り替えることに。業者から加工工程を引き継ぐ過程で、圧搾して使うのは約50%だけで残りは廃棄されていることが分かった。

 この残りかすに注目したのが宮沢社長。「果物は皮や種に栄養分が豊富なことが多い。カシスを分析し、残さを活用して新商品を開発、販路を開拓したい」と新事業として取り組みを開始。食品の機能性を研究している山本准教授に協力を仰ぐことにした。

 残さを活用するための方法として、乾燥させたパウダーを作成。山本准教授が成分分析したところ、残さに眼精疲労軽減の効果があるとされるアントシアニンやポリフェノールが含まれていることを確認した。

 残さにはこのほか、食物繊維やリノレン酸などの健康に良いと言われる成分が含まれているとされる。

 パウダー化には温風でドライフルーツを作るように乾燥させたり、凍結させた後に水分を昇華させたり、マイクロ波を当てたりと、さまざまな方法を試行錯誤。栄養分を損なわない方式を検討中という。山本准教授は「パウダー化によって捨てるところのない加工をしつつ、地元産の食品であるカシスの健康効果が認知されるきっかけになれば」と意義を強調した。

 同社では本年度中の発売を目指し、どら焼きの商品づくりに余念がない。同町笊田の製菓工場では中に入れるあんを試作中。煮詰めた小豆やカシスの果肉を取り出しては、さらにパウダーを入れて煮詰めていた。

 「果肉の食感が残り、カシスの酸味と小豆の甘味のバランスが取れた味に仕上げたい」と宮沢社長。違った商品展開も今後進める予定で、「カシスの健康効果を幅広くPRし、ゆくゆくはカシス専門の新ブランドを立ち上げ、健康補助食品の開発を目指したい」と意欲を見せている。

デーリー東北新聞社

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