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ニッポンの良き昭和をバンコクで味わう 日本食レストランが話題に

1/2(水) 12:00配信

日本食糧新聞

模擬店のような小規模飲食店が軒を連ねるタイ・バンコク・プラカノン地区の商業エリア「W(ダブル)ディクトリクト」。5年前にオープンしたばかりにもかかわらず、個性的な装いに週末はもとより平日でも多くのタイ人、西洋人客らでにぎわう。この一角に2018年8月に新規開店した一風変わった日本食レストランがあり、話題を呼んでいる。

懐かしい日本の洋食屋のメニューが

喫茶店と洋食店を合わせ持ったイメージの「サムライダイナー」。ステンドグラスを模した概観に、店内は木目を基調としたレトロな造り。調度品には、使い込んだアンティークカメラやLP、雑誌などが所狭しと展示され、正面奥には懐かしい白黒TVも。流れる映像や音楽も往年のジャズといったファンにはたまらない演出で、「昭和」の食と文化を楽しむことができる。

店をコーディネートするのは、在タイ10年を超えたという店長の大高昇平さん。「昭和30~40年代前半(1955~60年代)の日本食や文化をタイで再現し、タイ人や西洋人のお客さんに紹介したい」とオープンに踏み切った。調度品のカメラやLPなどは日本で暮らす父に依頼し、祖父の遺品などから送ってもらったという。その数、段ボールで2箱ほど。

昭和49(1974)年生まれの大高さん。自身は知らぬ、生まれる前の昭和の一時期にこだわる理由について、「戦後の混乱期を経て、ようやく暮らしにもゆとりが出るようになった時代。人々は希望を持ち、元気に働き、食や音楽を楽しんでいた。そうした世界に憧れを持っていたから」と話す。当時の様子は祖父や父から聞いたほか、映画やTVから。「ずっと再現したいと心に秘めていた」

店で提供するメニューにも工夫が施されている。ハンバーグ、スパゲティーナポリタン、オムライス、メンチカツ、カレーライス…。誰もが思い出す懐かしい日本の洋食屋のメニューにできるだけこだわった。

加えて、戦後、日本社会に浸透したハンバーガーなどのファストフードも。「今で言うB級グルメばかりだが、僕らはどこかそこに哀愁と懐かしい思い出を感じる。それをタイの社会で表現したかった」と大高さんは解説する。

お客さんも興味津々といった様子だ。4人組で来店したタイ人客の一人は「日本の60年代って、どんな時代なのかを知りたくてやってきた。食事もおいしいし、店の雰囲気がとてもいい。両親に聞く同時代のタイとは大違いだ」と話していた。また、2人組の西洋人のカップルも「ここ(Wディクトリクト)には個性的な店があっていい。この店も気に入ったよ」と笑顔で答えていた。

開店から2ヵ月余り。客のリピート率や売上げも、まずまずといったところ。だが、大高さんに満足はない。「日本の良き昭和の時代の、ほんの少しのところが紹介できただけ。まだまだ伝えたいことはたくさんある」と話す。これからも試行錯誤を続けていく考えだ。

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最終更新:1/2(水) 12:00
日本食糧新聞

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