ここから本文です

関学大が富士通に完敗で学生10連敗。アメフット頂上決戦のライスボウル見直し論が急浮上!

1/4(金) 5:00配信

THE PAGE

アメリカンフットボールのXリーグ(社会人)王者と学生王者が激突する第72回、日本選手権ライスボウルが3日、東京ドームで行われ、富士通が関学大に52-17で圧勝、3年連続4度目の優勝を果たした。これで学生王者は10連敗。MVPに2TDをマークしたRBのトラショーン・ニクソン(26)が選ばれるなど、オフェンス、ディフェンスにそれぞれ2人の外国人選手を配する富士通との力の差は明らかで「次元が違いすぎてフットボールにならへん。もうライスボウルは考え直したほうがええ」と、関学の鳥内秀晃監督はあきれ顔で、日本選手権の存在意義に疑問を投げかけ、小野宏ディレクターも「もう大会は歴史的な役目を終えた。選手の安全面を確保するためのなんらかの対策を講じなければならないでしょう」と、大会ルールの見直しを日本アメリカンフットボール協会に訴えた。協会サイドは、ライスボウルの必要性と意義を強調、廃止論や方式の変更には断固抵抗する姿勢を示したが、ライスボウル特別ルールとして外国人のフィールド出場人数などの見直しを、今後、協議する考えがあることを明らかにした。ライスボウルが大きな転換期を迎えている。

フィジカルの強い外国人とのマッチアップは危険

 誰も止められない。
 186センチ、106キロのRBニクソンがボールを持つと関学ディフェンス陣のタックルが役に立たない。先制、追撃と2本のTDを決められ、実にランで、206ヤードを一人で走られた。QBのマイケル・バードソン(25)にはパスで99ヤードを稼がれ、2人の外国人に好き放題にやられた。

 2人の外国人を配するディフェンスも鉄壁。関学はランがまったく進まず、ボディブローがないからパス攻撃に頼らざるを得ないというアンバランスなオフェンスになって手も足も出ない。日大との定期戦での反則タックル騒動の被害者であるQB奥野耕世が、クイックリリースや横手投げパスなどを駆使しながら、なんとか第1QにTDを奪うが、プレッシャーからかインターセプトを2度許すなど、チームは勝負どころで反則を繰り返した。第4Qにもう1本TDを決めたが、それがなければライスボウル史上ワーストとなる39点差を更新するところだった。

 試合後、鳥内監督は、もう達観した表情だった。
 ゲームのポイントなどには話が及ばす、開口一番、「テレビでこの試合を見ている人が面白いと思うんかな。次元が違いすぎる。さぼったわけやなくて、一生懸命準備して勝負にいったが、それ以前の問題。フットボールになっていないもん。しんどいわ。これ以上でけへん」と愚痴った。

 2年生のLB海崎悠が再三にわたる好タックルで富士オフェンスに食い下がったが、準備した組織で守るには限界があった。
 同じく2年生の奥野は、ほぼフルに司令塔として出場したが、「完全な力の差がありました。スピード、フィジカルに違いを感じました」と言う。

 フィジカルの差は歴然で担架で退場したのが6人。
「もっとおるんとちゃう。実際に痛んだ選手は。今日の怪我人は春の新チームにまで響くんよ。危険やな。ずっと言うてるけど、もう(ライスボウルのあり方を)考えた方がええんちゃう」と、鳥内監督はライスボウル廃止論を訴えた。
 点差以上にチームが負ったダメージが深刻だったのだ。

 小野ディレクターは安全面を問題視した。
「100キロの体重の選手が4秒台で走ってくる。NFLキャンプにいくような選手を大学1、2年生が止めにいくんですから、事故につながりますよ。私たちの立場としては安全性を確保できない。ライスボウルの特別ルールを作るのか、何かしらの対策、見直しを協会には考えてもらいたい」
 口頭で日本アメリカンフットボール協会に対して危険性を訴えている。

 72回を数えるライスボウルが学生王者vs社会人王者の形になったのは、1984年の第37回から。その年は京大がレナウンに29-28で辛勝、1987年からは学生が5連勝するなど、創成期はチームとしての活動時間の長い学生の方が戦術に優れてリードしていたが、徐々に社会人が力をつけて逆転。2009年に立命大がパナソニック電工に17-13で勝って以降、10連敗となった。関学にいたっては2002年にアサヒ飲料に勝って以来、7連敗である。

 ここ数年、Xリーグの上位チームのほとんどが外国人補強を行いレベルアップしている。その“半プロ”を相手に“純国産”で年齢的にもフィジカルの完成度が未熟な学生が戦術とスキルだけで対抗するには無理がある。ライスボウル限界説だ。

 実は筆者は2年前にも同じテーマで原稿を書いた。
 その試合も富士通が外国人の活躍で関学を寄せ付けなかった。ライスボウルの勝敗に対してのファンの興味や、チーム、選手のモチベーションを保つためにもライスボウルの特別ルールとして外国人選手の出場人数の制限やプレー時間制限を早急に導入すべきだろうと、提言したが、この2年間は放置されていた。

 ラグビーの日本選手権も社会人王者対学生王者のワンマッチ形式は1997年2月11日に行なわれた東芝府中対明治大で大学が10連敗したのを最後に終了。以降トーナメント方式に変更になった。その2年前の日本選手権で大東文化大が神戸製鋼に14-102で大敗したことが、見直し論の火付け役になった。
 そういう意味で今大会の学生10連敗もライスボウルのあり方を見直すタイミングなのかもしれない。

 試合後、日本アメリカンフットボール協会の国吉誠会長を直撃した。

1/2ページ

最終更新:1/4(金) 5:07
THE PAGE

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事