ここから本文です

天才エルトン・ジョンの職人芸が冴えわたる一大傑作『黄昏のレンガ路』

1/4(金) 18:32配信

OKMusic

デビュー1年後の1970年にリリースした「僕の歌は君の歌(原題:Your Song)」が世界的に認められたエルトン・ジョン。この曲があまりにも名曲だったがゆえに、新人にして頂点を極めたとか、一発屋などと言われることも少なくなかった。しかし、この後も彼は天才としか思えないほど多くの名曲や傑作アルバムを創作し続け、70年代半ばには“地球一のソングライター”と言われることもあった。現在は引退を宣言し、2018年の秋にスタートさせたアーティストとして最後の世界ツアー「Farewell Yellow Brick Road」に臨んでいる。そこで今回は、引退ツアーの名前にも使われている彼の代表作『黄昏のレンガ路(原題:Goodbye Yellow Brick Road)』(‘73)を取り上げる。

「僕の歌は君の歌」の衝撃

以前このコーナーで、彼の2ndアルバム『僕の歌は君の歌(原題:Elton John)』(‘70)を取り上げたことがあるので彼の紹介は端折るが、70年にリリースされたシングル「僕の歌は君の歌」を最初に聴いた時の衝撃は今も忘れることができない。初めて聴いたのは、すでに僕が洋楽ファンになっていた中学2年の時。1回聴いて大好きになった。その後も繰り返し聴き、稀代の名曲だと確信したのだが、まだ14歳。いろんな音楽を聴いているわけでも人生経験もない思春期の男子にとって、自分の確信は疑わしいものでもある。結局、この曲が本当の名曲なのかどうかを確かめるためにさまざまな音楽を聴き、自分のリスナーとしての感性を磨きたいと思った。まぁ、それだけでもこの曲の価値はあったのだが、この曲を聴き続けてもう50年近くが経った。今でもやはり名曲中の名曲であり、僕の当時の確信は確かであったと証明ができた。それにしても、デビューして半世紀近く、子供から大人までに愛される曲を作り続けるエルトンの才能には驚嘆するばかりである。

自分のサウンドを作り上げようと試行錯誤する日々

余談になるが、日本でエルトンの人気が大きくなったのは「僕の歌は君の歌」に続いてシングルリリースされた「イエス・イッツ・ミー(原題:It’s Me That You Need)」(’71)で、これも間違いなく名曲中の名曲なのだが、なぜか日本だけで大ヒット日本以外ではまったく鳴かず飛ばずであった。この曲、現在入手困難な『フレンズ』のサントラと合わせて『イエス・イッツ・ミー~レア・マスターズ』(‘92)に収録されているので、興味のある方は中古盤専門店で探してみてほしい。

この後も2ndアルバムから名曲「人生の壁(原題:Border Song)」がヒット、続く3枚目のアルバム『エルトン・ジョン3(原題:Tumbleweed Connection)』(‘70)ではカントリーやスワンプ風のサウンドを披露し、マニアックな内容であったにもかかわらず全英2位、全米でも5位まで上昇した。翌年は映画のサウンドトラック盤『フレンズ』とライヴ盤『17-11-70』をリリースするなど精力的に活動するが、シングルカットに適した曲は前者のテーマ曲「フレンズ」ぐらいであった。続く6枚目の『マッドマン・アクロス・ザ・ウォーター』(’71)も地味なアルバムで、この時期エルトンは、安易にヒット曲を作るよりはスタジオ録音での実験や創作の工夫などを通して、自分の音作りを確立しようとしていたのである。

1/2ページ

最終更新:1/4(金) 18:32
OKMusic

あなたにおすすめの記事