ここから本文です

2019年のスーパー業界、新たな成長機会を求めて変革

1/6(日) 12:20配信

日本食糧新聞

2018年に相次いで発表された流通業界の再編計画ならびに新たな提携関係は、スーパー業界のあり方が変わろうとしていることを印象付けた。以前から人口動態の移り変わりや情報技術の進化によって業界を取り巻く環境は変わると言われ続けてきた。それが実際の圧力となり、各社は従来の事業モデルでは立ち行かなくなるとの自覚を強めている。既存店の客数は伸びず、出店用地は限られている。働き手の確保も難しい。従来チェーンオペレーションが強みとしてきた要素が削りとられていくような状況の中、新たな成長機会を求めて変革に取り組む。

提携・統合で新たなビジネスモデルを創出

食品スーパー(SM)や総合スーパー(GMS)にとって、業務提携やM&A(企業の合併・買収)の狙いといえば、以前なら企業規模の拡大によるバイイングパワーの強化に主な期待があった。今もスケールメリットは重要であるとしても、調達面の効果は最重要ではなくなりつつある。

「単純な規模の拡大より、新たなビジネスモデルを創出することが重要」と語ったのは、イオンのSM事業担当である藤田元宏執行役。2018年10月に北海道、東北、東海、近畿、中四国、九州にわたるグループのSM再編の目的を説明した記者会見でのことだ。

イオンのグループ再編は、6エリアそれぞれで売上高5000億円、キャッシュフロー200億円の企業体を形成することが目的という。地域単位で物流その他のバリューチェーンを再構築し、今後の環境に適した新しいフォーマット開発などへの投資を続けるために、それだけの規模が必要としている。

「一定以上の成長を前提とするチェーンストアの事業モデルは、労働力不足や異業種を含む競合激化などの環境変化により、早晩立ち行かなくなる。コスト構造にメスを入れるだけでなく、事業の成長エンジンを構築し直す必要がある。それを地域に密着する形で行い、グループのネットワーク、知見として融合していく姿を目指す」(藤田執行役)

イオングループが着手した大規模なエリア再編は、時を置かずに発表されたフジとの資本・業務提携も加わり、中四国においてはグループの枠を超えた再編に発展しようとしている。

その中四国を基盤とするイズミは、イオンとフジの提携に先んじて4月にセブン&アイ・ホールディングス(HD)との業務提携を発表した。商品・資材の共同調達のほか、イトーヨーカ堂の店舗移管や電子マネーの活用など、相互補完的な取組みも見られる。

セブン&アイHDは、7月に小田急グループとも業務提携を結んだ。小田急SM事業の支援や、駅構内へのセブンイレブンの出店を進めている。中四国ではイズミ、小田急沿線では電鉄グループと組み、各地域でそれぞれのインフラと知見を活用していく。

ユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)は2018年10月、GMS事業のユニー全株をドンキホーテホールディングス(HD)に売却することで合意した。ファミリーマート側はドンキホーテHDに20%出資、3社は新たな協業体制を構築する。

ユニーは、5年間でアピタ、ピアゴ100店舗を「MEGAドン・キホーテUNY」に転換する計画だ。ディスカウントストア(DS)と総合スーパーというバックボーンの異なる企業体の相乗効果で、新たな成長モデルを追求する。

1/4ページ

最終更新:1/6(日) 12:20
日本食糧新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事