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誰にも遠慮せず何時間でも!最高の読書環境とおいしい食事がある幸せな場所

1/6(日) 11:00配信

食べログマガジン

自分自身がずっと行きたかった、「心置きなく快適に本が読めるお店」を

「本を心置きなく快適に読めるお店というのが、あまりに少ないなあと昔から思っていました。外で本を読みたい人達のための場所を守りたかったし、なにより、自分がそういうお店に行きたかった。だから、自分自身が行きたいお店を作ろうと思いました」

ゆったりとした話し方でそう語るのは、初台にある本の読める店「fuzkue(フヅクエ)」の店主、阿久津隆さん。「fuzkue」は“最高の読書環境”を目指すお店として、2014年10月に東京都渋谷区初台にオープンしました。

「fuzkue」には、いくつかのルールがあります。
たとえば、店内では「おしゃべり禁止」。お店を開く時に、阿久津さんは同じく読書をテーマにした飲食店である、高円寺のカフェ「アール座読書館」を参考にしました。同店を訪れた時に、阿久津さんは「なるほど、喋れないお店にすればいいのか!」とショックと感動を受けたといいます。

ひとりひとり区切られた空間を楽しめる「アール座読書館」を自分なりに解釈・チューニングした阿久津さんが「fuzkue」で実現したのは、“開けた静けさ”。座りごこちのよいソファやカウンターテーブルの席が用意された店内には、パーテーションなどは置かれていません。隣に人がいることを意識しつつも、スタッフとお客さんが秩序を守り、静かで心地よい空間を安心して享受することができます。

「ひとりで本を読むという行為は、孤独だし弱いし守られていない。だからこそ、このお店では、ひとりだけれども孤独ではない、ということを伝えられる空間を意識しています」と阿久津さん。

“最高の読書環境”を担保するユニークな席料制

話し声とは別に、飲食店での読書を躊躇してしまう理由のひとつは“肩身が狭く感じがちなこと”。本を読むという過ごし方は、会話がはずんでお酒が進むわけでも、たくさん飲み食いするわけでもないため、お客さん自身が「自分はこんなに長居していいのかな」と思ってしまいがちです。コーヒー一杯だけの注文では、店員さんの視線からも「もっとなにか頼まないかな」というメッセージを深読みしてしまいます。

そこで、阿久津さんは変則的な席料制を取り入れました。

「コーヒー一杯でもお客さんが遠慮せずに何時間でも店で読書を楽しめるように、オーダーいただいた内容によって席料が変わる仕組みにしています。頼めば頼むほど席料は減っていき、ゼロにもなる。飲み物1杯でも、ある程度飲み食いしても、なんとなく2,000円前後にお会計がおさまるイメージの料金設定になっています。ルールをカチッと仕組みにすることで、お店にいる間の“最高の読書時間”を担保する――それが、この場所がやっていることです」

それ以外にも、スマホのバッテリーを気にせずすむようにコンセントを用意したり、靴を脱いでくつろげるようにスリッパを用意したりと、店には本を楽しむことの邪魔になるものを可能な限りそぎ落とすための思いやりで満たされています。

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