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人生の最後には答えがない 「人生会議」の行方を見つめてきて

1/6(日) 11:11配信

BuzzFeed Japan

人生の最終段階においてどのような医療・ケアを望んでいるか、患者さんを中心に家族や医療従事者などが繰り返し話し合い意思決定を支援することをアドバンス・ケア・プランニング(ACP)といいます。

2018年11月、厚生労働省の会議においてACPということばをもっと医療従事者や国民のみなさんに身近に感じてもらうために愛称が公募され「人生会議」に決まったという報道があったことで知ったという方もいるかもしれません。

私が運営している患者会「卵巣がん体験者の会スマイリー」では活動のひとつとして、卵巣がん患者さんやご家族からの相談支援を行っています。

基本的には私がひとりで電話やメール、ときには対面という形で相談支援を行い、2018年を例にあげると1年間で440件あまりのご相談をいただいています。

卵巣がんと診断されたころから継続的に相談をくださる患者さんやご家族も多く、やがて人生の最後の時間に差し掛かることになってしまったというご相談をいただくことも少なくありません。

患者さんやご家族からの相談を振り返ると、意思決定支援することを、「人生会議」という愛称をつけたとしても、実際、その時間が訪れたときに、大切な家族を見送った時に順調にいくのかなと感じてしまいました。

今回は、これまで私が支援した患者さん、ご家族のご相談のなかからいくつかのエピソードを紹介させていただきます。
※なお個人が特定されないように、仮名を使用し、一部一般化して記載しています。
【寄稿:片木美穂・卵巣がん体験者の会スマイリー代表 / BuzzFeed Japan Medical】

妻が亡くなって3年 引越しの決断

「片木さん、家を引っ越そうと思うので会員情報の変更をお願いします」

山田さん(50代)からお電話をいただいたのは、卵巣がん治療をがんばっていた奥様の優子さんが天国に旅立たれて3年が経った春の日でした。

患者会では患者さんが天国に旅立たれたあとも、ご家族が会員として継続してくださる場合も少なくありません。山田さんもそのお一人でした。

優子さんは7年ほど前、小学生のお子さんの子育て中に腹部への違和感を感じ、婦人科を受診したところ卵巣がんと診断されました。

手術をした病院では抗がん剤治療は4日間の入院が必要と説明されたそうです。

「子供のこともあるので可能な限り通院で治療を受けたいので外来治療ができる医療機関を教えてほしい」として患者会に相談のお電話をいただいたのが出会いでした。

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最終更新:1/6(日) 11:11
BuzzFeed Japan

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