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滋賀県が安土城の復元検討 信長が築城、焼失

1/8(火) 8:43配信

毎日新聞

 織田信長が天下統一の拠点として築城し、焼失した「安土城」(近江八幡市)について、滋賀県が復元を検討していることが分かった。近年の「城ブーム」や訪日外国人(インバウンド)を背景に、安土城にも注目が集まっていることなどを考慮した。ただ、史料も少なく、木造での復元は多額の費用がかかることから今後、復元方法について検討する方針。

 「『麒麟(きりん)がくる』で戦国時代や信長にスポットが当たる。安土城を広める機会としたい」。三日月大造知事は4日の記者会見で、戦国武将、明智光秀を主人公とする来年のNHK大河ドラマ「麒麟がくる」を引き合いに、復元を検討する意図を明かした。

 安土城は1579(天正7)年に築かれたが、信長が光秀に討たれた本能寺の変(82年)の後に焼失。現在は石垣の一部を残すのみで、国の特別史跡に指定されている。わずか3年しかなかった「幻の城」ということもあり、史料もわずかしか残されていない。

 安土城を詳細に描いた第一級史料として、信長が絵師、狩野永徳に描かせたとされる「安土城之屏風(びょうぶ)」が知られる。ただ、当時のローマ法王に献上後、行方不明となり、2007年に旧安土町(現近江八幡市)が美術史の研究者らをバチカンに派遣して調べたが発見に至らず、フランスに渡った可能性も浮上した。

 三日月知事は新たな調査団派遣について「どこへどういう形で行くのが良いか、事実の検証から始め、行き先を見定めたい」と述べ、バチカンやその他の場所に視察団を派遣する可能性を示唆した。

 城の復元を巡っては、鉄筋コンクリート製の名古屋城(名古屋市)の天守を解体し、木造で復元する作業が進むなど「城ブーム」を背景に各地で復元に向けた動きが起きている。大手ゼネコン「大林組」は1983年、現代の技術で大坂城を復元すれば、天守40億円など建築工事費は221億円、土木工事を含めると781億円になるとの「見積書」を公表している。【北出昭】

最終更新:1/8(火) 9:13
毎日新聞

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