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農産物輸出目標1兆円 達成のカギは中国の禁輸解除 原発事故きっかけ

1/8(火) 21:59配信

毎日新聞

 今年は、政府が掲げる農林水産物・食品の輸出額1兆円の目標達成がかかる1年。昨年の輸出額は9000億円を超える見込みで、吉川貴盛農相は「目標(達成)に期待を持っている」と述べた。海外の一部の国で続く東京電力福島第1原発事故をきっかけにした禁輸の解除も課題だが、8日には中国の一部規制解除を受け、新潟県産米の対中輸出が再開された。政府は日本食の魅力のPRとともに、各国への禁輸解除の働きかけを強化する。

 政府は2009年、輸出額を20年までに1兆円にする目標を決定。16年に目標年限を1年前倒しした。農林水産省によると、18年1~10月の輸出額は前年同期を15%強上回り、18年通年で9000億円を突破する見込みだ。菅義偉官房長官は7日の記者会見で「(19年の)1兆円目標達成は完全に視野に入った」と意気込んだ。

 日本の農水産物・食品の輸出のけん引役は中国の旺盛な需要。18年1~10月の中国向け輸出は前年同期比35.2%増の1083億円に上る。ただ、中国は福島原発事故後の11年4月から日本産食品の輸入規制を導入。現在も福島など10都県を対象に規制を続けている。

 ◇新潟米の対中輸出は再開

 中国は新潟県産米の禁輸については昨年11月に解除。これを受けて、全国農業協同組合連合会(JA全農)は1月8日、約8年ぶりに新潟県産米の対中輸出を再開した。この日は横浜市の港から中国・大連市に向けて、コシヒカリ約1トンが出荷された。上海の日本食アンテナショップで販売し、売れ行きを見ながら追加出荷する計画だ。中国のコメ消費量は日本の約18倍と巨大で、政府は日本産ブランド米需要の拡大を期待する。

 原発事故をきっかけにした日本産の輸入規制は現在も中国を含む25カ国・地域で続く。政府は6月に大阪で開く主要20カ国・地域首脳会議(G20サミット)を安全性への理解を得る好機ととらえ、広報戦略を練っている。

 また、日欧経済連携協定(EPA)が2月1日に発効するのも「農産物の輸出のチャンス」(吉川氏)と見込む。豚肉や鶏肉、鶏卵、乳製品のEU向け輸出には検疫上の理由から厳しい規制が掛かっているが、日本側はEPA発効をテコにした輸出解禁を目指して当局間の協議を加速している。【加藤明子】

最終更新:1/8(火) 21:59
毎日新聞

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