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子ども分野の国家資格は必要か 厚労省WGが報告書

1/8(火) 10:02配信

福祉新聞

 厚生労働省の社会保障審議会児童部会社会的養育専門委員会のワーキンググループ(WG)は12月26日、児童相談所の機能強化などを盛り込んだ報告書をまとめた。素案段階で、一部委員が反発していた、子ども分野の国家資格化については、両論併記することで決着。今後、委員会を設けて、国家資格化するかどうかも含めて検討するという。

 厚労省が12月7日の会合で示した素案では、子ども分野の国家資格について「引き続き検討する必要がある」との結論が示された。これに対し奥山眞紀子・国立成育医療研究センター部長らは「両論併記でも、何年以内に国家資格化すると期限を入れるべきだ」と強く主張。一方、宮島清・日本社会事業大教授らは「社会福祉士など既存資格のカリキュラムを充実させるべきだ」と反対していた。

 今回の取りまとめでは、国家資格化については、賛成と反対どちらの意見も記した上で、人材の専門性向上などの必要性については意見が一致したと指摘。今後、専門的に検討する委員会を設け、国家資格化も含め、具体的な検討に入ることが盛り込まれた。

 また、代替養育における子どもの意見表明権を保障するためのアドボケイト制度を構築する場を設けることも示された。海外事例も含め、先行事例を把握した上でモデル事業を実施し、全国展開する方針だという。

 このほか、児相の質向上に向け、業務の第三者評価の仕組みづくりに段階的に取り組む。また、電話受け付けや里親支援、安全確認などの業務は外部委託を進める。虐待の通告窓口は一元的な運用方策を国が具体的に整理する方針だ。

 児相職員の質向上については、スーパーバイザーの要件を厳格化し、研修の受講を任用要件とする。児童福祉司や児童相談所長の任用要件に、相談援助の業務経験が必要であることを明確にするという。

 弁護士や医師の配置は日常的に対応できるような体制を求めたが、常勤化までは踏み込まなかった。

 会合では、奥山委員が「国家資格をつくるには時間がかかる。並行して早く議論を始めるべきだ」と主張。これに対して宮島委員は「国家資格化すれば問題が解決するわけではない。人材確保と定着、育成に重点置くべきだ」とくぎを刺すなど、最後まで議論が対立した。

 WGは、2016年の改正児童福祉法で、積み残しになっていた要保護児童の通告の在り方や、子ども分野で働く職員の資質向上策について18年9月から議論を開始した。

 会合後、厚労省幹部は記者団に「報告書を精査した上で、必要な事項については、来年の通常国会に児童福祉法改正案を提出したい」と語った。

最終更新:1/8(火) 10:02
福祉新聞

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