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「将棋の町」再生に本腰=「1人残らず指せる」目標―駒生産量日本一の山形・天童市

1/9(水) 5:03配信

時事通信

 日本一の将棋駒の生産量を誇る山形県天童市が「将棋の町」の停滞に危機感を抱いている。

 娯楽の多様化で、将棋人口は減少。将棋を指せない小中学生も増えた。「1人残らず指せる町に」。商工会議所も巻き込み、町ぐるみの対策を本格化させる。

 「児童生徒の6割は将棋ができない」。同市が2017年12月に市内の全小中学校で実施したアンケート。次世代の将棋熱の低下は衝撃的だった。危機感を抱いた山本信治市長は「1人残らず将棋を指せる町にしたい」と宣言した。

 市は18年10月、「将棋の町」の再生に弾みをつけようと、市民ら4000人で将棋を指すイベント「二千局盤来」を開催。1会場で同時に行った最多対局数としてギネス記録を達成した。

 藤井聡太七段の活躍で将棋人気に追い風が吹く中、次世代の育成が喫緊の課題だ。19年度からは日本将棋連盟天童支部などから講師を招いて、児童向け出前教室を市内の全公民館で実施することを検討。一部の子どもには週1回、プロ棋士らによる英才教育も行うなどして、市出身の初のプロ棋士誕生を夢見る。

 「女流棋士になりたい」。地元の将棋教室に通う本間珠莉さん(6)は気合十分。娘の英才教育に前向きな父千裕さん(36)は、市の対策に「活気が出てうれしい」と笑顔を見せる。同支部の大泉義美会長は「強くて人間的に素晴らしい棋士が生まれれば、将棋の町に力がつく」と話す。

 市商工会議所も将棋振興策「コマノミクス」に力を入れる。「多くの人が親しめるように」と、尚絅学院大(宮城県名取市)の協力を得て、縦横6マス計36マスの盤を使う「66将棋」を開発。対局時間が大幅に短いのが特徴で、商品化も視野に入れる。

 「将棋人口が増えれば駒も必要になる。観光客にも来てもらえる」と市の担当者。山形県将棋駒協同組合の後藤ユリ子副理事長は「藤井七段のブームがあったけど、やはり地元が盛り上がらないと。こんなに将棋の駒に囲まれている町はない」と話している。 

最終更新:1/9(水) 5:11
時事通信

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