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深川製磁「宮内庁御用達」を初公表 社長「あえてウソつき、隠してきた」

1/9(水) 11:26配信

毎日新聞

 深川製磁の深川一太社長(70)は8日、佐賀県有田町の本店で年頭の記者会見を開いた。今年は天皇陛下の退位と皇太子さまの新天皇即位が予定されているが、一連の儀式で使われる食器類を同社が納めている事実を初めて公表した。これまで報道機関の照会に「あえてウソをつき、隠してきた」という。【渡部正隆】

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 その理由を深川社長は「皇室のご依頼で納品するのは大変な名誉。だが、商売に利用すべきではないと考え、公表を控えてきた」と弁明した。方針転換のきっかけは昨年10月の高円宮家三女絢子さまの結婚披露晩さん会。引き出物として同社製のボンボニエール(金平糖入れ)が配られた。だが、インターネットでは別の窯元製との誤報が拡散した。

 社長は「利益を度外視し『いい物を作りたい』との職人かたぎで製造している。それが後世に有田焼を残す唯一の道と信じているから。宮内庁からの受注は技術の伝承に大いに役立っており、その結果『100年前の物を今作れ』と注文されても、即座に応じられる技術は保持している」と自負を語った。

 この日は同社恒例の「くるま(ろくろ)おろしの儀」があり、仕事始めの日。作業場では、新天皇の即位を祝う行事で使用される食器の製造工程を公開した。深川社長は昨年納品したボンボニエールは記者会見で披露したが、食器については寸法やデザインなど詳細は明かさなかった。

 「引き出物は皇室以外の人々にも配られ、外部に出た。しかし、現在作っている食器類は使われた後も外部に出ることはなく、皇室内に残るもの。これは明らかにしない」と区別を明確にした。

 宮内庁御用達の制度はなく、同社は「明治以来の事実の積み重ねで名乗っている。これに関し、宮内庁から一切の言及はない」としている。皇室の食器類は一般競争入札で納品業者が決まるが、細かい仕様の指示があり、それらをクリアできる技術力が求められる。

最終更新:1/9(水) 19:07
毎日新聞

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