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レクサスUXはハッチバックのようなSUV。ブランドを引っ張る強い個性と味がある

1/9(水) 7:32配信

carview!

台数よりもレクサスの存在感を増すことが使命

2018年、レクサスは過去最高の販売台数を記録した。およそ60万台という数字は、それでもドイツプレミアム御三家の約3分の1に過ぎない。が、長い歴史とそれに裏打ちされたブランドイメージ、そして膨大なモデルラインアップを誇るドイツ勢に対し善戦しているのは紛れもない事実だ。日本では展開していないものの、ホンダはアキュラ、日産はインフィニティというプレミアムブランドをもっている。しかしアキュラもインフィニティもドイツ勢の大攻勢を前に苦戦を強いられている。ブランドイメージ的にも「ニアリープレミアム(プレミアム的)」に留まっているのが現実だ。それを考えると、レクサスの孤軍奮闘ぶりがさらに鮮明になってくる。

>>レクサス UX フォト集<<

レクサスの好調を台数面で支えているのは「RX」「NX」「ES」の3モデル。そして「LS」と「LC」がブランドイメージを引っ張る。一方、今回登場した「UX」に期待されているのは、レクサスのエントリーモデルとして、これまでレクサスに乗ったことのない新規ユーザーを獲得することだ。

とくに、UXが属するコンパクトSUVマーケットはレクサスが苦戦している欧州で成長著しい。UXの投入をきっかけに欧州マーケットでのプレゼンスを増し、レクサスブランドを浸透させることがUXの重要な役割となる。

もちろん、売れなくてもいいというわけではないが、レクサスは台数の急激な拡大は志向していない。まずはブランドイメージをしっかりと構築し、本格的な数の追求はそのあとでいいというのが彼らの考えだ。事実、詳細は後述するが、台数規模をプライオリティの最上位に掲げるクルマなら普通はやらないような冒険がUXの随所に見られる。そう、「尖ってなんぼ」の世界である。

ゴルフ好きからクレームが来そうな狭いラゲッジ

UXのディテールに迫っていく前に、「CT」の今後について軽く触れておこう。前のページで今後はUXがレクサスのエントリーモデルだと書いたが、それは「実質的な」という意味であり、CTはまだカタログ落ちしていない。となればCTがもっとも安いレクサスということになる。しかし、デビューからすでに8年経ち、パワートレーンもシャシーもさすがに古い。

絶対にレクサスに乗りたい、でも全幅が1800mm未満じゃないとガレージに収まらないんだよね(UXは1830mm)という人以外にはおすすめできないというのが正直なところだ。今後CTの後継モデルが出てくるかどうかは不明だが、ブランドイメージ的にも放置は得策じゃない。次期モデルがないのであれば、そろそろカタログから落とすべきだろう。

さて、UXだ。一般的にはコンパクトSUVと表現できるモデルだが、レクサスはCUE(Creative Urban Explorer)と呼んでいる。その中身はSUVとハッチバックを融合したクロスオーバーモデルであり、荒れ地を走るというよりは、都会を颯爽と駆け抜けるのに適した、ちょっと背の高いハッチバックカーと表現するのが正解だ。

同じプラットフォームを使う「トヨタ C-HR」が引き合いに出されがちだが、そういう意味では「カローラスポーツ」との血縁関係も深い。全高は1540mmとC-HRに近いものの、ぱっと見の印象はむしろハッチバックカーに近いというのが僕の見立てだ。そのうえでデザインを眺めると、ああけっこう尖っているなと感じる。

お馴染みのスピンドルグリルと鋭い目つきを組み合わせた顔、スピード感を感じさせるフェンダーアーチモール、横一文字のリアコンビランプなど、ディテールの印象はかなり強い。加えて、強く傾斜させたリアピラーとギュッと絞り込んだリアエンドの造形が非SUV的軽快感を演出している。驚いたのはハッチゲートを開けてラゲッジスペースを見たときだ。狭い! 深めのアンダーボックスもあるが、それにしてもずいぶんと割り切ったスペースである。

VDA方式でのラゲッジ容量は220L。SUVのわりに狭いと言われているC-HRでも318L、カローラスポーツが352L、「VW ゴルフ」が380Lであることを考えると、ビックリするぐらいの狭さである。思わず「こんなんで大丈夫なんですか?」と聞いてしまった。すると担当者は胸を張ってこう答えた。「使い勝手よりもデザインを優先しました」。 

やはりこのUX、かなり尖った思想の持ち主だ。ちなみにゴルフバッグを積むには後席を畳む必要がある。フル乗車状態でゴルフバッグが1個も積めないクルマは、スポーツカーを除けばトヨタグループ初とのこと。僕はゴルフをしないが、ゴルフ好きからはクレームが来るだろう。いちいち後席を畳まなければゴルフバッグが積めないことを理由に購入を諦める人も少なくないはずだ。それを承知でレクサスはUXのデザインとパッケージングをつくりあげた。この思い切りはまさに非トヨタ的である。

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最終更新:1/9(水) 7:32
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