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マイケル・B・ジョーダンが語る、アドニス・クリード役ヘの思い

1/9(水) 17:31配信

ぴあ映画生活

2016年1月、ハリウッドでは「#OscarsSoWhite」騒動が巻き起こった。全部で20人いる演技部門の候補が、2年連続で白人だらけだったからだ。批判者の一部が、その運動の広告塔のように使ったのが、『クリード チャンプを継ぐ男』。マイケル・B・ジョーダンやテッサ・トンプソンの演技がすばらしかったのに、この作品から候補入りしたのは、白人であるシルベスタ・スタローンだけだったのである。

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3年が経った今、「僕自身は、そんなに深くは考えなかったんだよね」と、ジョーダンは当時を振り返る。「でも、他の人は、フェアじゃないと感じた。あの映画を気に入ってくれた人たちが、あの作品は入るべきだと思ったんだ。そこから、あのような会話が生まれたのさ」。

オスカーからは無視されても、ジョーダンとライアン・クーグラー監督は、その後、ハリウッドの重要人物としての立場をますます強くしていく。ふたりが組んだ昨年前半の『ブラックパンサー』は、北米で昨年最大のヒット作に。そして年末には『クリード』の続編『クリード 炎の宿敵』で、またもや高い評価を受けた。『ブラックパンサー』で忙しかったため、クーグラーは『炎の宿敵』を監督できず、エグゼクティブ・プロデューサーにとどまったが、このふたりが何かを変えていることに疑問の余地はない。

「もちろん、僕とライアンは、変化を起こそうと意識しているよ。僕らの映画に社会的メッセージがあるのは、偶然ではない。僕らは、映画を通じてそれをやりたいんだ。『ブラックパンサー』は特に、僕らのコミュニティの子供たちに、大きな意味をもたらした。自分みたいな人がスクリーンで活躍するんだからね」

『炎の宿敵』でも、彼らはステレオタイプを打ち破ってみせる。主人公アドニス・クリード(ジョーダン)は、今作で、ボクサーとしての優れた腕前だけでなく、イクメンぶりも発揮するのだ。新米パパの彼が、赤ちゃん相手に奮闘する様子は、観ていてとても微笑ましい。

「アドニスは自ら喜んで子育てに取り組む。それを、僕らは、若い男性に見せてあげたかった。男は家族を省みなくていいという昔からのイメージがあるが、それは違う。男だって、家族と一緒にいよう、一緒にいたいと思わないといけないんだ。ストーリー上も、アドニスを父にするのにいいタイミングだと思った。彼は自分と父の関係にわだかまりをもっている。今作で、彼は、人生においても、キャリアにおいても、次のステップへと向かうんだ」

スタローンは『ロッキー』を6本作り、今もなお『クリード』でロッキーを演じ続ける。ジョーダンも、アドニスの役には、同じくらいの情熱と愛情をもち、同じくらい長くかかわっていきたいと願う。だが、彼にはほかにもやりたいことがある。ひとつは、監督だ。

「それには、ライアンの影響が大きいんだよね。彼はいつも僕に製作のすべてのプロセスを見せてくれる。僕とライアンは同世代で、育った環境も似ているし、もしかして自分にもできるかなと思うようになったんだよ。ライアンもやるべきだと言ってくれるし、いつか、きっとやってみせるさ」

ジョーダンが監督する『クリード』を観られる日は、そんなに遠くないかもしれない。

『クリード 炎の宿敵』
2019年1月11日(金)より全国ロードショー

取材・文:猿渡由紀

最終更新:1/9(水) 17:31
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