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ライチョウふ化試験へ 長野・木曽駒ケ岳で来年度

1/10(木) 21:13配信

毎日新聞

 国の特別天然記念物で絶滅危惧種のニホンライチョウが50年前まで生息していた長野県・中央アルプスの木曽駒ケ岳(2956メートル)で昨年確認され、環境省などは来年度、このライチョウに有精卵を抱かせてふ化させる試験を始める。野生復帰と生息域拡大への第一歩としたい考えだが、天敵対策など課題も残る。

 同省の専門家検討会が10日開かれ、試験計画を了承した。ニホンライチョウは1980年代には約3000羽が生息していた。近年、生息環境の悪化などで生息数を減らし、現在は北アルプスや南アルプスなどで2000羽以下とされる。

 中央アルプスでは69年を最後に目撃例が無かった。しかし、木曽駒ケ岳で昨年7月と11月、登山客が雌のライチョウを見つけ、撮影した。営巣状況やDNA検査結果から、2017年ごろに北アルプスか乗鞍岳から飛来し、定着したとみられる。

 同省などは15、16年に乗鞍岳で自然繁殖したライチョウの有精卵を採取し、人工繁殖する事業に取り組んでいる。計画によると繁殖期に有精卵を採取して木曽駒ケ岳のライチョウに抱卵させ、ふ化できるかを確かめる。中央アルプスでライチョウが姿を消した要因には、キツネやカラスなどが卵やひなを捕食した可能性がある。同省はそれら天敵の生息状況も調べ、ライチョウが生息できる環境にあるかを見極める。

 専門家検討会のメンバーでライチョウの生態に詳しい中村浩志・信州大名誉教授(鳥類生態学)は「生息が確認されたのは大きな一歩で、チャンスを生かすべきだ。生息環境を整えるためには天敵の捕獲が必要になるだろう」と指摘する。【五十嵐和大】

最終更新:1/10(木) 22:50
毎日新聞

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