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[コラム]“2人のポンペオ”と2回目の朝米首脳会談

1/10(木) 18:38配信

ハンギョレ新聞

 金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長が再び外に出てきた。丹東(タンドン)~北京間を特別列車で14時間かけて走り、習近平・中国国家主席と4回目の会談をした。じっとしているよりは良い兆しの対外メッセージだ。

 金委員長の新年の辞発表と訪中で、今後ボールは米国に渡るだろう。ドナルド・トランプ米大統領が“遠からず”金委員長との首脳会談場所を発表すると公言したが、結局トランプ大統領の意向を貫徹する実務者が鍵を握る反復記号の情勢が到来するだろう。場所と時期を先に決めてから議題を議論した1回目の朝米首脳会談時とは異なり、議題を先に協議した後に時期と場所を決める流れで進んでいる2回目の首脳会談の様相を見ればなおさらだ。

 一部では“選手交替”の可能性も議論されているが、現時点ではマイク・ポンペオ米国務長官が依然として米国の代表選手として北朝鮮との協議に入る確率が高い。彼が米国内のどんな人物と会い、どんな戦略を立てるのか、トランプ大統領にどのように入力するかが今後の朝米実務・高官級交渉、および首脳会談の雰囲気に少なからぬ影響を及ぼすだろう。

 対北朝鮮交渉に限定してみるならば、今まで“2人のポンペオ”がいた。トランプ大統領の意向を忠実に履行した初期ポンペオと、ワシントン外交街の主流に馴致されたポンペオだ。

 起点は昨年6月12日のシンガポール朝米首脳会談だった。シンガポール会談以前にポンペオは、3月31日~4月1日には中央情報局(CIA)局長の資格で、5月9日には国務長官の資格で2回北朝鮮を訪問した。ポンペオは、相当な柔軟性を発揮して史上初の朝米首脳会談開催の踏み石を置いた。

 だが、もう1人のポンペオがいた。シンガポール会談の初の後続協議であった昨年7月6~7日の3回目の訪朝と、10月7日の4回目の訪問時のポンペオだ。特に、彼の3回目の訪朝は、シンガポール会談の成果をほとんど原点にまで戻す“情勢後進”の分岐点だった。シンガポール会談で北朝鮮に一方的に譲歩したという米国内官民の反発に勝てず、ポンペオは彼らが注文する“北朝鮮さばき”の秘法を持って北朝鮮を訪問した。核施設・核兵器申告目録を出さなければ終戦宣言はできないとし、敷居を目いっぱいに高め、両側では公開的な荒々しい言葉まで交わされた。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領の9月平壌訪問、それに続くポンペオの4回目の訪朝も、局面を転換させることができない程に3回目の訪朝が残した後遺症は深刻だった。当時の米国の対北朝鮮政策基調は、現在までほとんどそっくり維持されているといっても過言でない。北朝鮮はポンペオに拒否感を表していて、米国は金英哲(キム・ヨンチョル)を負担に感じている。

 この過程で北朝鮮が得た“学習効果”は、長期戦に備える“プランB”が必要だという判断かもしれない。「急ぐことはない」として「忍耐」を持ち出した米国に対して、北朝鮮は対応準備を急いでいると見られる。北朝鮮が新年の辞で自力更正を強調した理由だ。

 制裁の矛先を鈍化させることさえできるなら、時間が過ぎるほど北朝鮮の既存核兵器保有は既定事実化されうる。こうした脈絡で見れば、金委員長が言及した「新たな道」は、現状維持なのかも知れない。北朝鮮は米国内部の政治的混乱を見て、時間を稼ぐほど対米交渉で有利な高地に立てるという計算も成り立つ。

 金正恩の訪中後には、ポンペオの訪朝が続くパターンが見られた。今回もポンペオが訪朝するかは予断しがたい。だが、彼が再び北朝鮮を訪問するならば、あるいは北の交渉相手に会うならば、3回目の訪問時に手帳に書いておいた“北朝鮮馴らしの秘法”は控えたほうが良い。時間との戦いでは米国が有利でなく見えるためだ。

イ・ヨンイン朝鮮半島国際エディター (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:1/10(木) 18:38
ハンギョレ新聞

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