ここから本文です

仙台から新しいパワードスーツ、EVカー、EdTechが誕生

1/11(金) 16:00配信

アスキー

グローバルラボ仙台と仙台市経済局産業振興課が主催する仙台市スタートアップ向けのピッチイベント「仙台アライアンスピッチイベント」が仙台市内のコワーキングスペース「enspace」にて開催された。

【もっと写真を見る】

 12月14日、グローバルラボ仙台と仙台市経済局産業振興課が主催する仙台市スタートアップ向けのピッチイベント「仙台アライアンスピッチイベント」が仙台市内のコワーキングスペース「enspace」にて開催された。
 
 グローバルラボ仙台は、仙台に新しいIT産業を創出するために2013年12月にスタートしたプログラム。今回は、本プログラム初の起業家に向けた発表の場となる。
 
 メンターには、東北大学ベンチャーパートナーズの片桐大輔氏、株式会社七十七銀行、株式会社NTTドコモ 東北支社法人営業部長の山田広之氏、株式会社ドコモベンチャーズ 代表取締役社長 稲川尚之氏、株式会社MAKOTO ディレクター 川上 恵氏、MJQウェディング創業者/投資家の三浦純一氏の6名が参加した。
 
 登壇企業は、株式会社身体機能研究所、株式会社シーデックス、株式会社Sirube、モービルジャパン株式会社、株式会社あx4の5社。それぞれ5分間のプレゼンテーションの後、メンターとの質疑応答を行なった。
 
着るだけで身体能力があがる機能性シャツ
 最初の登壇者は、株式会社身体機能研究所の代表取締役社長 佐々木 孝氏。同社は、安価で高性能なパワードスーツ「リライブ」を開発している。
 
 東洋医学の経絡に基づき、シャツの内側に貼られた特殊なテープが経脈に働きかけ、体全体の機能が向上する仕組み。着た瞬間に98%の人が身体機能の向上を体感でき、トップアスリートは記録が約5%向上。一般の方であれば2割~3割程度パワーアップするという。2018年9月に国内の特許と意匠を取得済みで、欧州、米国、中国の国際特許も出願中だ。
 
 ターゲットとして、アスリートと中高年、肉体労働者を想定し、シャツタイプは1万5000円、ゼッケンタイプは9800円。現在は、ユーザーごとに身体を測定してテープの位置を調整しているが、将来的にはサイズ展開して既製品を作りたいとのこと。
 
工場の検品作業をAIで自動化
 続いて、株式会社シーデックスの代表取締役社長 小原 操氏が登壇し、製造現場での検品作業を自動化する「AI自動学習&良否判定システム」を紹介。
 
 モデル学習用のPC、AI学習&良否判定ソフトウェア、カメラ、撮影ボックスで構成され、検品したいものをカメラにかざすと、AIで判定する仕組み。現在は、コネクターのキズや汚れなどの外観検査用に開発中で、2019年初頭にリリース予定。今後は、製造現場と連携し、工場のベルトコンベアなどにシステムを組み込み、異常品の発見/除外のオートメーション化を目指している。メンターからは、AIを用いた画像検査は競合が多く、事業拡大には他社との差別化が重要、と指摘。ほかのベンチャーとの連携も視野に入れるといいのでは、とアドバイスした。
 
「次どこ行く?」で困らない、お出かけショート動画アプリ
 3番目は、株式会社Sirubeの代表取締役 山本 憲弘氏が、お出かけショート動画アプリ「sirube」を紹介した。
 
 視聴ユーザーは、外出中に近くのスポットを探している20代の学生~若い社会人がターゲット。いまは屋外での動画視聴が一般化しており、動画などのリッチコンテンツがテキストより優位になっている。しかし、既存のお出かけメディアは、文字が中心でお店の雰囲気が伝わりにくい。店舗側は、SNSなどで情報発信しているが、固定のファンしか情報をキャッチできない。
 
 「sirube」では、店舗側がショート動画を投稿すると、付近にいるユーザーのアプリ画面に表示され、チェックインやアンケートに答えるとポイントがもらえる仕組みだ。サービス開始時は渋谷の繁華街などにエリアを限定して初期ユーザーを獲得し、関東、関西圏の私鉄との連携しながら徐々にエリアを広げていく計画だ。
 
安価でエコな高齢者向け電気タウンカー
 4番目は、モービルジャパン株式会社の代表取締役社長木村 裕氏が登壇。同社は、「トライク」「ミニカー」などと呼ばれる電動三輪車を開発するメーカーだ。
 
 電動三輪車は、車検やヘルメットがいらず、普通免許があれば公道を運転できるのが特徴。バイクや自転車に比べて安定感があるので、高齢者にも扱いやすい。国内では、トヨタ車体の「コムス」がセブンイレブンの宅配サービスなどに使われているが、ほかのメーカーはほとんど製造されていない。また、1人乗りが一般的だが、同社では2人乗りや3人乗りのタイプも販売している。2人乗り以上は、軽二輪(250CC以下のバイク)の分類になり、法律上は最大5人乗りまで製造できるという。
 
 中国で製造することでコストを抑え、1人乗り電動バイクの「佐吉」は27万7000円と安価だ。現在は、スイング機能付きの新型電動ミニカーを開発中で、2019年春に発売する予定。価格は50万円前後、年間1000台の販売を目指している。
 
段ボールのブロックを用いたプログラミング教材「JoinToy」
 最後は、株式会社あx4(アバイフォー)代表取締役社長 砂金よしひろ氏が登壇し、ロボットプログラミング向け学習教材「Joitoy」を紹介した。
 
 2020年からの小学校のプログラミング必修化に向け、国内外から多数の教材が発売されているが、いずれのコンテンツも1人でつくることを前提としておりグループ学習には向いていない。また、安価なものは応用性に乏しく、拡張性のあるものは高価だ。そこで、JoinToyでは、「母国語で動かせる」「身近な材料で拡張できる」、「考えを共有できる」の3つをコンセプトに、ブロック式プログラミングで動きを表現する最小限のパーツを販売。
 
 具体的には、段ボールなどでプログラミング用のブロックをつくり、廃材や粘土などで作ったボディに専用パーツを組み込むことで、オリジナルのロボットがつくれるという。PCなどを用いるテキスト型のプログラミングではなく、段ボールのブロックを使ってプログラミングするので、コードを覚える必要がなく、複数人で話し合いながらプログラミングできるのが特徴だ。実物のブロックを用いることで、盲目の学習者もプログラミングが可能になる。
 
 ビジネスモデルとしては、カリキュラムとセットで学校や学習教材業者へ販売、専用サイトで情報共有する予定だ。価格は、基本パーツが4000円、拡張パーツは、500円程度を想定しているとのこと。
 
 メンターとの質疑応答では、スタッフの増員や他社との連携を勧める意見が多く見られた。スタートアップが早期に事業を拡大し、グローバル展開を目指すには、仲間を集め、他社との連携や協業を進める必要がある。また、競合に勝つための独自性、差別化も欠かせない。
 
知財×スタートアップの取り組みが進行中
 ピッチの終了後の特別セッションとして、ASCII STARTUPのガチ鈴木から、スタートアップの知財戦略と特許庁の取り組みが紹介された。
 
 資金や実績がないスタートアップにとって、アイデアや尖った人材、行動力が強み。つまり、企業価値≒知的財産といえる。しかし、日本のスタートアップは、欧米や中国に比べて知的財産への意識が低い。そこで、特許庁では、スタートアップの知財意識を高めるための支援策として、知財専門家と出会いの場の提供、知財コンテンツの配布などを実施。また、1ヵ月以内の早期審査、面接活用早期審査、条件を満たすベンチャーは特許料を3分の1に減免、といった支援を提供している。
 
 ASCII STARTUPと特許庁は、知財専門家とスタートアップのコミュニティづくりに取り組んでおり、全国でセミナーやイベントを実施している。知財戦略に興味のある企業や弁理士など専門家の方は、ぜひ近くのイベントに足を運んでほしい。
 
 
文● 松下典子 編集●ガチ鈴木/ASCII STARTUP

最終更新:1/11(金) 16:00
アスキー

あなたにおすすめの記事