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人は何歳まで生きられるか?平均寿命と健康寿命の差を短くすることが急務

1/11(金) 14:00配信

デイリースポーツ

 年が明けて、私も還暦(数え年)を迎えてしまいましたが、思い返してみれば私が子供時代の還暦の人って、もっとお年寄りに見えていたような気がします。それもそのはず、私が生まれた1960年当時の日本人の平均寿命は男性で65歳、女性で70歳でした。それが今や男が81歳に女は87歳。いったいこの先どこまで伸びるのでしょう。

 「固有代謝率」という計算方法がありまして、呼吸数・心拍数・グラム体重あたりの仕事量などから動物の寿命を科学的に計算すると、平たく言えば「体の大きい動物ほど寿命が長い」という結論が出ます。ところが人間と、なぜかコウモリだけはこの法則に当てはまっていません。固有代謝率から計算すると、人間の限界寿命は26年しかないのです。

 でも縄文人の平均寿命は31歳、江戸時代の国民平均寿命は44歳と言われています。ですので江戸時代の女性は更年期障害を知らない。江戸時代の医学書には五十肩のことを長寿肩と記されている。今の日本人のご長寿は、医療の発達と世界に冠たる日本の国民皆保険制度の賜物と言えるでしょう。

 さて、平均寿命と違って、健康寿命という「元気で長生き」できる寿命の統計があります。これはもうここ何十年も日本が世界でダントツ1位、男性72歳、女性74歳です。さぁよく考えてください。平均寿命から引き算すると、男性で9年、女性で13年は「介護を必要とする」つまり独力だけでは生きていけない期間になります。

 人生百歳時代がもうすぐ訪れるだろうと言われています。われわれ医療人は、平均寿命と健康寿命の差をできるだけ短くするために、さらに高度な医療・予防医療を追い求めることが急務となっているのです。

 ◆筆者プロフィール 松本浩彦(まつもと・ひろひこ)芦屋市・松本クリニック院長。内科・外科をはじめ「ホーム・ドクター」家庭の総合医を実践している。同志社大学客員教授、日本臍帯プラセンタ学会会長。

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