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【年頭インタビュー】横須賀・上地克明市長 観光・エンタメで魅力発信

1/12(土) 7:55配信

産経新聞

 新春にあたって横須賀市の上地克明市長が産経新聞のインタビューに応じ、街のにぎわい創出に向けた取り組みなどについて語った。かつて軍都として栄えた横須賀市だが、人口減少が続いている。上地市長は観光振興やエンターテインメントの誘致を切り口にした「ヨコスカ再生」を訴え、「県内観光の核となる」と自信をのぞかせた。(聞き手 川上朝栄)

 --街の活気を取り戻すため、さまざまなイベント誘致を図っている。昨年1年間を振り返って

 「音楽やスポーツ、エンターテインメントによる街のにぎわい創出に向けて具体的に動き始めた。5月には津久井浜でウインドサーフィンワールドカップが開催され、11月に追浜で行われた(プロ野球)横浜DeNAベイスターズのファン感謝デーには、多くの観客が詰めかけた。さらに8~9月には世界3都市で実施される(スマートフォン向けゲームの)『ポケモンGO』のイベント開催地に選ばれ、約20万人もの人々が横須賀を訪れた。(東京湾唯一の無人島)猿島では音楽や踊りを楽しむ催しを開催して、東京都内からも多くの人が押し寄せた。人口減少には悩んでいるが、街の魅力発信で、再び輝きを取り戻したい」

 ◆イベント開催が重要

 --地域経済の活性化に向けた方策は

 「横須賀は半島に位置するため、交通アクセスが悪い。これが停滞する地域経済を好転させるにあたって、最大のネックだ。劇的に交通アクセスが改善されることはないが、活性化に向けては、経済全体のパイを増やす必要があり、人々が訪れる街にしなければならない。そのために質の高いイベント開催が重要で、街への投資にもつながる。企業誘致は非常に重要だが、市内には谷戸も多く、平坦(へいたん)な土地もあまりないので、産業構造を変えていかなければならないだろう。そこで目玉となるのが観光だ」

 --観光振興の具体的な取り組みは

 「近代日本の礎を築いた軍港都市・横須賀の歴史を伝える中核拠点としてヴェルニー公園にガイダンスセンターを設け、市内に点在している近代化遺産を結ぶことで、集客を図る『ルートミュージアム』の実現を図る。ワクワクする仕掛けを展開したい。(旧日本軍が首都防衛のため、東京湾に建設した海上要塞)第2海堡(かいほう)への新たなツアーも本格実施を進めたい」

 --地域コミュニティーの再生に向けた取り組みは

 「誰も1人にさせない街を実現する。横須賀は良くも悪くも谷戸の街で、それぞれの地域の結束が強い。一方で、(地域間同士の)横のつながりが薄いという特徴がある。それを線でつなぐため、知恵を絞る。市内各所に設けられた行政センターを活用しながら、困りごとの相談を受けたら、地域に入り込んでその場で解決する。継続的に対応を図る際には、仕組み作りに向けた対応を地域を巻き込んで考えながら、対応する。これこそが、自己完結型の横須賀モデルだ。また、障害者や生活困窮者、シングルマザーの就労支援、引きこもりの方々に対する社会参加支援も強化する」

 ◆民泊充実させたい

 --地域ごとに、どのように街づくりを行うのか

 「北部の追浜地区はベイスターズ2軍施設を整備してにぎわいをつくる。追浜駅前の再開発に加え、八景島(横浜市金沢区)から横須賀市夏島町までの国道357号延伸工事が始まっており、各地へのアクセス向上を図る。南部の久里浜地区には、J1(プロサッカーJリーグ1部)の横浜F・マリノスの練習拠点や、久里浜港の整備を進める。開国の街・浦賀地区には住友重機械工業の工場や社宅跡地があり、再開発は避けて通れない。住重とともに活用法を検討し、街づくり拠点を整備できればと思っている。西部エリアは風光明媚(めいび)な地域だ。漁業や農業振興を図りながら、民泊を充実させていく。海上交通として、東京湾から相模湾を周遊するルートづくりも視野に入れている」

 --今年の漢字をどう表現する

 「平成が終わり、新たな時代が開かれるという意味を込めて『開』だ。人が集まる個性的な街・横須賀として、今年からエネルギーを吹き出していきたい」

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【プロフィル】上地克明

 かみじ・かつあき 昭和29年1月29日生まれ。横須賀市出身。横須賀高校、早稲田大学商学部を経て、衆院議員秘書。平成15年の市議選で初当選。4期務め、地域政党「ニューウィング横須賀地域主権会議」を立ち上げる。29年の市長選で初当選し、現在1期目。バンドでボーカルを務めるなど音楽好きで知られる。俳優、上地雄輔さんの父。64歳。

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【用語解説】ルートミュージアム構想

 明治以降に活用された砲台跡など日本の近代化遺産が点在している横須賀市全体を軍港資料館と位置付けるもので、歴史を感じながら、市内を周遊し、観光客の誘客を図る取り組み。平成32年にヴェルニー公園内に明治初期に建てられた洋館「ティボディエ邸」の外観を再現し、観光ガイダンスセンターとして活用する。

最終更新:1/12(土) 7:55
産経新聞

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