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567億円を追加給付=来週にも予算案修正―揺らぐ信頼性・勤労統計不正

1/11(金) 12:29配信

時事通信

 厚生労働省は11日、毎月勤労統計調査が誤った手法で行われていた問題で、雇用保険や労災保険などで総額約567.5億円の支払い不足が発生していると発表した。

勤労統計の閉会中審査前向き=自民国対委員長

 対象者は延べ約2000万人。来年度予算案を修正して不足額を追加で支払う方針で、来週にも修正予算案を閣議決定する。

 菅義偉官房長官は同日の記者会見で「必要な予算を計上する方向で調整する」と述べた。一度閣議決定した予算案を修正するのは極めて異例。一部の職員は問題だと知りながら、非公表のまま誤った手法を続けており、統計の信頼性を大きく揺るがす事態に発展した。

 同統計では従業員500人以上の事業所は全数調査だが、東京都では2004年から約3分の1を抽出して実施していた。18年からは、抽出調査を行っていた東京都分で、企業数を本来と同等にする補正処理を実施。賃金が上振れしたため、総務省から昨年12月に原因調査を求められ、精査を進める中で問題が発覚した。

 厚労省の調査では、1996年からは調査対象の事業所数が本来より1割程度少ない約3万カ所だったことも判明。昨年6月には神奈川、愛知、大阪の各府県に対して、全数調査ではなく、今回問題となった抽出調査を行うと連絡するなど、再びルールを無視した対応も見つかった。3府県への連絡は問題発覚後の12月下旬に撤回した。

 誤った手法により、大企業の調査数が減少し、統計結果のうち04~17年の給与額が平均で0.6%低下。これをもとに支給額の上限や下限などを算出している失業給付などで、過少給付になっていた。

 追加給付は雇用保険で約1900万人(約280億円)、労災保険の年金給付で延べ約27万人(約240億円)など。1人当たり平均ではそれぞれ約1400円、約9万円となる。

 根本匠厚労相は11日の閣議後記者会見で「心からおわびする」と謝罪した一方、「組織的隠蔽(いんぺい)の事実はないと思う」と語った。厚労省は弁護士らを含めた監査チームを通じ、動機や目的についてさらに調査を行い、職員の処分などを検討する。勤労統計は総務省と相談した上で、できる限り早期に全数調査に戻す方針だ。 

最終更新:1/11(金) 20:45
時事通信

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