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「ベア前面」から転換、格差是正狙う 全トヨタ労連が方針を正式決定

1/11(金) 20:32配信

産経新聞

 トヨタ自動車グループの労働組合でつくる全トヨタ労連(314組合、35万1千人)は11日、東京都内で中央委員会を開き、平成31年春闘交渉の統一要求方針を正式に決めた。従業員の基本給を一律に引き上げるベースアップ(ベア)を前面に掲げるのをやめ、勤続年数などに応じて上がる定期昇給を含む賃上げの「総額」ベースでの要求を傘下労組に促す。ベアについては「月3千円以上」を目安として示すにとどめた。各労組が必要な賃金水準を目指すことにより、格差是正につなげる狙いがある。

 平均賃金引き上げに関する要求基準は、「賃金カーブ(制度)維持分に3千円以上を加えた総額原資を要求する」。賃金カーブ維持分は定昇分のことだ。一方、ベアを示す「是正分」という言葉は消えた。年間一時金(賞与)は5カ月以上を求めた。この方針を踏まえ傘下労組は要求を決める。

 鶴岡光行会長は中央委で、「是正分だけの議論に終始すれば、格差拡大が継続する」と説明した。

 例えば、中小企業の労組がトヨタ自動車労組のベア要求額を意識すると、それを下回ったり、数百円上回る要求で満足したりと、格差は縮まらない。だが、総額でみると、定昇分は各社によって異なるため他労組と比べにくくなる。各労組にそれぞれの実情を踏まえて必要な賃金水準を設定することを促し、賃金の低い会社の労組が高水準の要求をする可能性を高めるという狙いがある。

 30年春闘でトヨタの経営側がベア妥結額を非公表としたことが、労組側にも変化を促した。10日には自動車総連がベア要求額を示さない方針を正式決定しており、自動車業界の31年春闘は、格差是正を強く意識したものになりそうだ。(高橋寛次)

最終更新:1/11(金) 20:32
産経新聞

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