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2018年「老人福祉・介護事業」倒産、7年ぶりに前年割れ

1/11(金) 14:40配信

東京商工リサーチ

 2018年(1‐12月)の「老人福祉・介護事業」倒産は106件(前年比4.5%減)だった。介護保険法が施行された2000年度以降では、7年ぶりに前年を下回った。ただ、倒産件数は過去3番目に多く、高止まり状況が続いている。
 業種別では「訪問介護事業」が42.4%を占めた。「有料老人ホーム」は14件になり、先行投資に見合う入所者が集められない計画性に問題のある事業者を中心に、前年比2.3倍増と突出したのが目立った。 
 倒産した事業者は、従業員5人未満が全体の62.2%、設立5年以内が32.0%を占め、小規模で設立から日が浅い事業者が倒産を押し上げている。競合に加えて、人手不足の深刻化で介護職員の離職を防ぐために人件費も上昇し、「老人福祉・介護事業」は淘汰の動きが加速している。

※ 本調査対象の「老人福祉・介護事業」は、有料老人ホーム、通所・短期入所介護事業、訪問介護事業などを含む。

◇倒産件数は7年ぶり減少も過去3番目の高止まり 
 2018年(1‐12月)の「老人福祉・介護事業」の倒産は106件(前年比4.5%減)で、2011年以来、7年ぶりに前年を下回った。ただ、介護保険法が施行された2000年以降、過去3番目の件数で依然として高止まりが続いている。
 負債総額は81億9,400万円(前年比45.4%減、前年150億1,100万円)、前年より4割減少した。これは前年5件だった負債10億円以上の発生がなかったのが大きな要因。全体では負債1億円未満が82件(前年比10.8%減、構成比77.3%)と7割を占め、小規模事業者の倒産が大半だった。

◇年後半にかけて倒産が減少、介護報酬プラス改定の影響も
 2018年(1‐12月)の「老人福祉・介護事業」倒産を四半期別でみると、2018年1-3月が前年比28.5%増(14→18件)、4-6月が同3.8%増(26→27件)と、前半は過去最多ペースの高水準で推移していた。しかし、後半に入ると状況が一変した。7-9月が同6.4%減(31→29件)、10-12月が同20.0%減(40→32件)と年後半にかけて減少幅が広がった。
 介護報酬改定と倒産との関連性は明言できないが、9年ぶりのマイナス改定となった2015年度改定(2.27%引き下げ)以降に倒産増加に拍車がかかり、2018年度改定(0.54%引き上げ)以降は7年ぶりの倒産減少につながった。このことから、少なくとも介護報酬改定の寄与と倒産発生ペースとの関連は否めない状況だ。

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