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足りない米粉原料 製粉企業に逼迫感 農水省、生産奨励に動く

1/11(金) 12:44配信

食品新聞

これまで低迷していた新規需要米の米粉需要が上向き始めている。米粉パン、米粉麺は当初見込んでいた市場は作れなかったが、副資材としての利用が広がりつつある。ただ、需要に見合うだけの米粉用米が生産されていないため、原料米確保に追われる製粉企業は多く、増産を望む声は大きくなっている。農林水産省は生産者と製粉企業による情報交換会を企画し、1月下旬から主産地での開催が決まった。

減少一途のコメ需要に歯止めをかけようと、09年に450億円の予算を付け「新規需要米制度」が始まったが、パンや麺への2次加工が広がらず、12年度までは常に米粉用米の生産が利用量を上回り、13年度には4万5千t余りが行き場のない在庫となり、製粉企業やJAが抱え込むことになった。

15年に補助金の算定基準が変わり、同じ新規需要米でも飼料用米生産の方が手取りで有利になるため、生産者は飼料用米に集中した。一方で、この頃から製パンメーカーなどの2次加工業者から米粉の機能が評価され始め、食味改良などの副資材で使用されることが増えたり、小麦粉の2~3割を米粉に置き換えた米粉パンなどが定番で販売されるようになった。

利用量が増える一方、米粉用米の生産はさほど伸びなかったが、これまで抱えていた在庫を利用して製粉企業は急場をしのいできたものの、15年頃から必要量の確保が難しくなってきた。「新潟県産米使用」を訴求してきた企業が、同県産だけでの原料確保ができなくなり、「国産米」使用に表示変更するなどの苦労をするようになっている。新規需要米でも生産量のトップとなる同県産米の手当てが難しいとなると原料米不足は必至となり、製粉企業はことあるごとに行政への陳情を繰り返していた。

農林水産省の調査では、18年度の利用見込みが3万1千t、生産量は2万8千tとなっている。この時点で4万t弱のメーカー在庫があるが、市場拡大もあって、これは適正在庫を下回るカツカツの在庫水準。大手製パンメーカーからの大型案件に応えられなかったり、在庫不安から積極的な営業を控える製粉企業も多い。米粉需要は増加傾向にある。余裕のある在庫水準とするため、19年度は今年度から1千t程度多めに原料米を確保しようとする大手製粉企業も数社あり、19年度の利用量は3万6千tに達する見込みで、製粉企業の逼迫感は増すばかり。

需給バランス調整のため行われるのが、製粉企業などの実需者と全農県本部や各JAなどの生産者が出席して行われる、農林水産省主催の米粉用米情報交換会。1月17日の広島を皮切りに、21日新潟、23日茨城、30日熊本、31日秋田の各県で行われる。実需者の現状を報告し、生産者の意欲を高めるのが狙いで、米粉市場拡大に向け重要な情報交換会となる。

最終更新:1/11(金) 12:44
食品新聞

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