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IWC脱退は正しかったのか?「おクジラさま」監督に聞く

1/11(金) 20:20配信

FNN PRIME

日本がIWC脱退

日本がIWC=国際捕鯨委員会の脱退と商業捕鯨再開を表明してから、10日余りがたったが、いまだ国内外で賛否両論が尽きない。果たして日本の決断は正しかったのだろうか?捕鯨問題を扱った映画「おクジラさま」の監督で、ニューヨークを拠点に捕鯨論争の最前線であるIWCを取材してきた佐々木芽生氏に、フジテレビ解説委員の鈴木款が聞いた。

【画像】映画「おクジラさま」の中にはこんなシーンも

鈴木:
佐々木監督が「おクジラさま」を撮影しようと決めたきっかけは、和歌山県太地町のイルカ漁を取り上げて、アカデミー賞を受賞したドキュメンタリー映画「ザ・コーブ」(2009年アメリカ)でした(詳細はこちらhttps://www.houdoukyoku.jp/posts/14776)。

あの映画が上映された当時、日本の捕鯨やイルカ漁は世界的に非難されましたが、今回のIWC脱退には反捕鯨国のみならず日本国内でも批判の声があがっています。ただ、そもそもIWCとはどんな組織なのか、そのへんがよくわかっていない国民が多いというのも事実です。

佐々木:
私が初めてIWC総会を取材したのは、2002年の下関です。日本のテレビ番組用の取材でしたが、「こんなにひどい国際会議があるのか」と当時びっくりしました。と言うのも、捕鯨賛成派と反対派に分かれてお互い罵り合い、総会の途中でアイスランドの代表が怒って退席したとか、それは見ていて面白いですよ(笑)。でも「こんなのでいいんですか」というくらい驚いたのが最初です。

その後は、「おクジラさま」の製作のために、2010年のモロッコ、2014年のスロベニアでの総会を取材しました。

反対派と賛成派がリクルート合戦

鈴木:
2002年から12年間の間に、IWCはどんなふうに変わりましたか?

佐々木:
加盟国数がどんどん増えてきて、確か2002年の時には50か国以下だったんですけど、去年のブラジルの時には89か国が加盟しました。ただ、89か国のうち、捕鯨に関係する国はわずか7か国。商業捕鯨を行っているノルウェーとアイスランド、調査捕鯨の日本、先住民生存捕鯨として、イヌイットを抱えるアメリカ、ロシアとデンマーク、あとセントヴィンセント・グレナーディンというカリブ海の小さな国。加盟国の中にはモンゴルなど海に面していない国や、捕鯨に全く関係ないアフリカ諸国が入っています。捕鯨反対派と賛成派が、それぞれ票を獲得するためにリクルート合戦を続けてきた結果です。

鈴木:
船頭が多くなれば、まとまるものもまとまらなくなりますよね。

佐々木:
鯨を捕りたい国と保護したい国が、まったく正反対のゴールをもって集まるわけなので、合意になんか到達できるわけがないです。かつて国連で小型武器拡散防止の国際会議を取材した際は、参加国全員が合意に達するように、合意文の細かい言い回しを徹夜で詰めてました。IWCの人たちはそういったことが一切ありません。ただわーと来て、お互いに言いたいことを言って、さようならと。それが繰り返されているんです。総会に反捕鯨国から来る代表は、環境関係の政府機関や団体です。一方日本やノルウェーは、水産関係の代表者が来るわけです。話がかみ合うわけないです。茶番ですよ、本当に。

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最終更新:1/12(土) 13:10
FNN PRIME

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