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【コラム】中国の限韓令、弱まったが…「居安思危」すべき=韓国

1/12(土) 10:01配信

中央日報日本語版

高高度ミサイル防衛体系(THAAD)配備事態による中国政府の限韓令措置以降、急減していた訪韓中国人観光客数が2018年3月を基点に回復基調を示している。2017年約417万人から前年比48.3%減少した中国人観光客数は、2018年に入って11月までの間に約437万人まで増えた。2016年800万人規模にはまだ届かないが、次第に回復しつつある。

韓国を訪れる中国人観光客数が増加しながら中国政府の限韓令解除が用心深く占われている。流通・免税・航空などの関連業界でも懸念の中に期待をにじませている。実際、2017年11月に北京と山東省をはじめ、武漢、重慶、上海などで、韓国行きの団体観光を許可したというマスコミの報道がある。

あわせて中国内の防弾少年団(BTS)報道や韓国写真作家の招待展開催など、韓国文化コンテンツにも再びスポットライトを当て始めた。

しかし、このような変化がTHAAD配備イシューの解決と韓中関係の改善を意味するわけではない。経済報復が中国政府の警告を無視したことに対する「ムチ」なら、漸進的な限韓令の解除は「ニンジン」と見るのが妥当だ。これは過去10年、中国政府が見せてきた経済報復の典型的な特徴だ。ムチとニンジンはどちらも政治的目的の達成のための策略である以上、経済報復目的そのものが変化したとはいえない。

まず最初にはっきりさせておくべき点は、経済報復は特定の政治的目的達成のために取られる政策という事実だ。すなわち、傍点は政治的目的にあり、経済報復にあるわけではない。2017年と2018年(10月基準)の韓中交易規模がむしろ前年比それぞれ13.5%と15.1%増加した点がこれを傍証している。過去10年、中国政府がフランスやノルウェー、日本などの国々に加えた経済報復が両国の経済関係に大きな影響を及ぼさないことからも確認することができる。

THAAD撤収が究極の目的なら、中国政府はまだ政治的目的を達成できていないといえる。最近見えている肯定的な信号は、2017年5月に入ってからは文在寅(ムン・ジェイン)政府の対話の試みと関係改善への努力に対する期待と、悪化した米中関係、そして南北関係改善など北東アジア情勢変化に対する戦略的調整に対する結果であるため、THAADの韓国配備を容認したわけではない。

文在寅政府になってから各界各層の韓中間交流が改めて活発になっている。不幸中の幸いには違いない。だが、THAAD配備イシューは現在進行形であり、北東アジアの情勢変化によって再び大きくなる可能性もある。このような状況でわれわれに最も求められるのは、過去26年間、韓中関係で繰り返し登場した「希望的思考(wishful thinking)」を捨て、前述したように中国経済報復の本質を直視することだ。「居安思危」(平安な時にも危険と困難を考えること)という言葉がある。さらに言えば平安な時でもない。また、一刀で解決できない戦略的・理念的・感情的問題である以上、長期化に対する対策準備が必要だ。

まず、再開された交流協力を持続的に強化させていかなければならない。不通によって交渉が不可能だという認識を与えてはいけない。幸い、過去の経済報復事例で相手国が対話を試みてきた場合、中国は拒否しなかった。次に、複雑な高次方程式を解くために国家利益の優先順位とマジノ線を設定しなければならない。外交は交渉力が命だ。何を与えて何を受け取るのか、戦略的判断をあらかじめ懐に持っていなければならない。突発状況に備えて危機管理対策の樹立も必要だ。「後の祭り」式の対応を繰り返すことはできない。

最後に、政治・外交的イシューを経済イシューに問題化させるのを控えるべきだ。中国の経済報復によって特定産業が被害を受けているのは事実だ。だが、両国間の経済問題が解決されたからといってTHAAD配備による政治・外交的イシューが解決されるわけではない。特定産業に対する対策準備とは別に、難しいことではあるが、政治・外交的イシューは政治・外交的方法で解決する方法を講じなければならないだろう。

イ・ミンギュ/ソウル研究院副研究委員・北京大学政治学博士

(中央SUNDAY第618号)

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