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シリアから米軍撤収開始 当面は装備のみ

1/12(土) 10:43配信

産経新聞

 【ワシントン=黒瀬悦成】シリアでイスラム教スンニ派過激派組織「イスラム国」(IS)の掃討作戦を展開している米軍主導の有志連合の報道官は11日、シリアに派遣されていた米軍部隊が「撤収作業を開始した」と発表した。

 報道官は「作戦の安全に配慮し、(撤収の)具体的な日程や場所、部隊の動きは明かさない」としているが、複数の国防総省当局者は米紙ワシントン・ポストに対し、当面は装備のみを撤収させる方針で、兵員の撤収はまだ始まっていないと語った。

 一方、シリア人権監視団(本部・英国)は、米軍がシリア北東部ハサカ県の基地から10日午後、装甲車などをイラクに撤収させる作業を始めたと発表した。

 撤収計画の詳細を知る米当局者が同紙に語ったところでは、約2千人規模とされる米軍部隊の完全撤収までには60~90日かかる見通しだとしている。

 米軍撤収をめぐっては、IS掃討で米軍と共闘していたクルド人勢力を「テロ組織」とみなすトルコが、同勢力に軍事攻勢をかける可能性が浮上している。

 ボルトン大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は11日のラジオ番組で、トルコのエルドアン大統領はトランプ大統領に対してクルド人に危害を加えないと約束したと述べ、「トルコ軍部隊はエルドアン氏の約束を履行するはずだ」と強調した。

 ただ、エルドアン氏はトルコを訪れたボルトン氏との面会を拒否するなど、米国からのクルド人勢力に対する攻撃自制の要請に反発しており、「約束」が守られるかは定かでない。

 このためクルド人勢力はトルコからの脅威を低減するため、米軍撤収による力の空白をシリアのアサド政権が埋めることを期待し、同政権の後ろ盾であるロシアに急接近しつつある。

最終更新:1/12(土) 10:43
産経新聞

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