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「ボヘミアン・ラプソディ」も…話題の応援上映 リピーターの心理とは 背景に“トキ消費”の普及

1/12(土) 7:31配信

西日本新聞

 長年のファンではない。バンドメンバーの顔入りTシャツを着て、自作の缶バッジを16個もかばんに付けているけれど。1800円の入場料を4回も払ってきたけれど。マキさん(28)=仮名=は「拍手や歓声から、同じ会場にいる人たちみんなと『これが好き』と分かり合えるのがうれしい」のだ。

【写真】「ボヘミアン・ラプソディ」で、フレディ・マーキュリー役を演じるラミ・マレックさん

 昨年公開されヒット中の映画「ボヘミアン・ラプソディ」。伝説的バンドのクイーンを描いた作品で、「応援上映」が話題になっている。指定された上映で観客はペンライトを振り、大声で歌える。「今日はシャイな人が多かったかな」。観客と一緒に雰囲気をつくり上げるので、何回参加しても同じ回は一つとしてない。シン・ゴジラ、アベンジャーズ…。マキさんは数々の映画を「応援」してきた。「ボヘミアン~」は予告編で知り、クイーンに興味を持った。

 一緒に参加した友人エリさん(33)=同=は5回目の観賞。「私が観客を先導しなければ」。そんな気合から、手拍子に力が入る。リピーターだからこそ応援上映の楽しさを伝えたいと使命感に燃える。

「ひとときの連帯感」を求める行動を「トキ消費」

 生活者の消費行動を分析する博報堂生活総合研究所は、こうした「ひとときの連帯感」を求める行動を「トキ消費」と名付ける。同じ志向を持っている人と、その時、その場でしかできない体験を共有し、盛り上がりに貢献する。

 主席研究員の夏山明美さんは「背景にSNS(会員制交流サイト)の普及がある」と分析する。SNSにあふれる他人の体験を見聞きすることで自分も体験した気分になり、より非日常的な、珍しい体験を求めるようになっている。「SNS疲れし、煩わしい人間関係は嫌だが1人も嫌、という需要もある」と言う。

クラウドファンディングもトキ消費の一つ

 ネット上で趣旨に賛同した人が寄付するクラウドファンディング(CF)も、トキ消費の一つだ。

 あるCFサイトに「蛍丸伝説をもう一度!」というプロジェクト名が掲げられた。蛍丸とは、阿蘇神社(熊本県阿蘇市)に安置され、戦後所在が分からなくなった刀。プロジェクトはその刀の復元を目指し、目標額550万円に4512万円が集まった。刀剣にちなんだキャラクターが活躍するゲーム「刀剣乱舞」の人気が追い風になった。

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最終更新:1/12(土) 7:31
西日本新聞

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