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THE BOOMの音楽性の起点となった『JAPANESKA』

1/12(土) 18:00配信

OKMusic

OKMusicで好評連載中の『これだけはおさえたい邦楽名盤列伝!』のアーカイブス。今回は「島唄」「風になりたい」等のヒットで国内外にその名を知られるTHE BOOMの3rdアルバム『JAPANESKA』を紹介したい。THE BOOMの特徴は世界中の音楽を巧みに取り入れた多彩なサウンドにあるが、その方向性はデビュー間もない頃から試行錯誤を繰り返す果てに確立された。本稿では彼らの音楽性の起点とも言える『JAPANESKA』を検証する。
※本稿は2014年に掲載

THE BOOMは決して「島唄」「風になりたい」だけではない

THE BOOM が2014年12月で解散する(※本稿は2014年11月に掲載)。解散理由は“今年5月21日のプロデビュー25周年を目の前にして、ふと立ち止まってみると、この4人でやれること、やるべきことは全てやり尽くしたのではないかという思いが心を支配するようになりました。そして、その声に頷く自分たちがありました”ということだが、これまで宮沢和史(Vo)のGANGA ZUMBAの他、メンバー個々にもソロ活動があり、THE BOOMは決して継続的な活動をしてきたバンドではないものの、彼らと同時期にデビューしたバンドのほとんどが今は活動していないか、活動しているにしても一度解散していたりする人たちが多い中、結成から28年間、宮沢、小林孝至(Gu)、山川浩正(Ba)、栃木孝夫(Dr)という不動のメンバーで活動し続けた実績は称えられてしかるべきだろう。“この4人でやれること、やるべきことは全てやり尽くした”という思いは偽らざるところではないかと思うし、その台詞に対しては“お疲れ様でした”という言葉しか浮かばない。

一般的なTHE BOOMのイメージは…というと、やはり「島唄」になるだろう。2006年、中学校英語教科書に掲載されたり、国内外の多くのアーティストにカバーされたりと、少なくとも00年代の日本を代表する楽曲であることは間違いない(個人的には将来、平成を代表するナンバーになるのではないかと思う)。また、「風になりたい」を連想する人も少なくないだろう。未だに根強い人気を誇る楽曲で、最近までCMで流れていたような気もするので、邦楽のスタンダードナンバー化したと言っても過言ではないだろう。正直言って筆者もデビューから毎作品THE BOOMを聴いていたわけではないので、「島唄」「風になりたい」がまず浮かぶ、所謂半可通ではある。

だが、半可通であるものの(もしかすると、半可通であるから?)、THE BOOMは決して「島唄」「風になりたい」だけのバンドじゃないし、そのイメージだけで語るのは少々もったいないという思いもある。教科書にその名が載ったり、国際的なイベントに出演したり、それはそれで疑う余地もない偉業であり、功績なのだが、彼らは元々ホコ天での活動からスタートしているのだ。誤解を恐れずに言えば、どこかアカデミックな匂いすら漂っているTHE BOOMではあるが、本来(という言い方をしていいのか迷うところではあるが)陽気でポップなバンド──そう、ロックバンドなのである。

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最終更新:1/12(土) 18:00
OKMusic

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