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英国で多発する酸攻撃、ビクトリア朝と現代の違い

1/12(土) 11:06配信

The Telegraph

【記者:Peter Stanford】
 1865年11月、ビクトリア時代の英ロンドンで、痴情のもつれによる暴力的な事件が市民を憤慨させた。路上で襲われたのは、既婚女性に好意を抱いた若い石版工、フェリックス・ディーコン(Felix Deacon)さん。犯人は、女性の夫ではなく別の男、ウェインライトという名の歯科医で、同じくこの女性に横恋慕しており、ディーコンさんを恋敵と見なしていた。そこでウェインライトがディーコンさんに警告を与えるために取った手段は、当時よくあった恐ろしいものだった。硫酸をディーコンさんの顔に浴びせ、視力を奪ったのだ。ウェインライトは有罪判決を受け、20年服役した。

 酸による攻撃は、現代の英国でも珍しくはない。近年は特に発生件数が急増しており、ロンドン警視庁(Metropolitan Police、Scotland Yard)によると2015年には261件だった通報が、2017年には454件と増えている。それに伴い報道ではこのところ、酸攻撃を治安に対する新種の脅威と捉える論調が高まっている。ディーコンさんの事件が示しているように、酸攻撃は最近生まれた犯罪ではない。だが特徴には、一定の変化が見られる。

 2017年には、ある事件が世間を揺るがせた。リアリティー番組の有名タレント、ファーン・マッキャン(Fearne McCann)さんの元恋人、アーサー・コリンズ(Arthur Collins)受刑者がロンドン・イーストエンド(East End)のクラブに酸を投げ込み、16人にやけどを負わせ、3人を失明させた。判事は「卑劣極まりない行為」と述べ、コリンズ受刑者に禁錮20年を言い渡した。この刑期はウェインライトと同じだ。

 不幸中の幸いで、3人の被害者はディーコンさんとは異なり、視力を取り戻すことができた。昔に比べると、酸攻撃を受けた場合の治療法も、被害者へのサポートも進歩している。

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最終更新:1/14(月) 14:13
The Telegraph

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