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ようやく迎えた兄弟猫 兄猫が急死、残された青い目の弟

1/12(土) 14:50配信

sippo

 「次に猫を迎えるなら2匹一緒がいいな。」そう思っていたという神奈川県茅ヶ崎市在住の佐藤円さん(39)。それは夫婦共働きで先住猫の「ジョニー(享年17歳)」をあまり構ってあげられなかったという後悔から。1匹で寂しく過ごすより2匹で賑やかに過ごして欲しいという思いもありました。

【写真特集】オスカーと亡き兄猫

 ジョニーロスが癒え始めた頃、譲渡募集サイトに登録し、夫婦で譲渡会にも足を運びました。しかし、タイミング的に2匹同時の譲渡募集が少ない上に、妊娠している円さんを見て、敬遠する保護主さんも少なくありませんでした。「まさか自分の妊娠がネックになるとは」と今では笑い話で済ませるのも5回目の譲渡会場(横浜市)で運命的な出会いがあったからです。

 譲渡募集サイトで見つけた「オスカー」と「アーサー」という生後7ヶ月の兄弟猫と実際に出会い、さらに気持ちは高ぶりました。そして主催者さんと保護主さんとの面談が始まるのです。円さん自身が妊娠していることを伝えると「それは関係ありません。」と心強いお言葉。これまで何度、心が折れそうになったことか……。円さん自身もそうだったように、これから生まれてくる子どもにも猫と一緒に育っていって欲しいという思いが伝わったかのよう。

 猫と人に恵まれて、佐藤家は念願の2頭飼いを達成!するのですが、それも長くは続かなかったようです。

 アーサーの病状の判断が下ったのは亡くなる約1ヶ月前。昨年の2月から下痢続きで調子を崩し、動物病院へ行くも回復せずで、どんどんと痩せて行くアーサー。セカンド、サードオピニオンと病院を回り、原因を探っていき、やっと辿り着いた病名が「FIP(猫伝染性腹膜炎)」とは……。当時の円さんにFIPの知識はなく、家に帰ってネットで調べ愕然とします。一旦発症するとほとんどの猫が助からない重い病気だったからです。

 一時はショックでご飯も喉が通らないほどでしたが、しかし、ここで諦めるわけにはいけません。やっとの思いで家に迎え入れて、いまや我が子同然になったのですから。対処療法を6月から始め、貧血時は兄弟猫オスカーの血液が役に立ちました。しかし、家族とオスカー、動物病院の先生がどんなに手を尽くしても、アーサーの病状は良くなることはありませんでした。8月にアーサーとのお別れ、佐藤家に来てから1年と5ヶ月、享年2歳という若さでした。

 アーサー亡き後、オスカーはアーサーを毎日探し続けました。鳴き続けました。「お兄ちゃーん、どこー!」と叫んでいるかのように。アーサーはお兄ちゃんタイプで家族にもひと足先に慣れました。家族に甘えるアーサーを遠目に見る引っ込み思案なオスカー、いつもアーサーの後をくっ付いて回るそんなタイプでしたから、オスカーも相当戸惑ったことでしょう。

 あれから4ヶ月、「目が回るような毎日」を終えた円さんはやっとオスカーと濃厚な時間が取れるようになったといいます。それは出産を機に会社を辞め、フリーランスのデザイナーとなり、自宅で仕事をすることが前より増えたことも関係しています。

 私は静かにその時を待ちます。円さんの「オスカー」の掛け声からスッと扉から顔を出すオスカー。「やあ、こんにちは」これから楽しい思い出いっぱい作ろうね。

sippo(朝日新聞社)

最終更新:1/12(土) 16:46
sippo

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