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東大母は娘を東大に行かせたい?学歴の重さに苦しんだからこその葛藤

1/12(土) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

年が明ければ受験シーズンが始まる。

学歴がすべてではない、と言いつつ、いまだに多くの親たちは少しでもいい大学に入れれば、よりよい生活が送れるだろう、と疑わない。だからこそ、幼い頃から少しでもいい教育を、と早期教育や塾に子どもを通わせる。

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それでは自らが、日本の最高峰の東京大学を出た母親たちは、娘をどのように育て、どう学歴をつけさせたいのだろうか。拙著『東大を出たあの子は幸せになったのか』の取材過程で見えてきた“東大母”の戸惑いとは―。

息子には東大より海外大学をと願う

筆者が出会った東大母たちは、子どもが息子か娘かで、その将来に対する考え方が違った。

「東大に入るのも一つのチャンスだけれど、ゴールじゃない。自分で何をやりたいかを考えて大学を選んでほしい」(44歳、自営業)

「勉強が楽しくて、東大に進みたい学部があるなら行けばいい。もっと世界に目を向けてほしい」(42歳、会社員)

息子のいる東大母は、そう口をそろえた。

東大合格者数1位の開成高校(男子校)ではここ数年、高校を卒業して直接海外の大学へ進学する生徒が少しずつ増え始めている。
2017年、筆者が開成中学校・高校の柳沢幸雄校長に取材した際、「これからは多様性が進み、海外の大学に進学する生徒が増えていくでしょう」と語っていたが、実際2017年には、海外大学の合格者は22人に上り(開成の大学入試結果より)、ハーバード大学などに進学している。
同校ではカレッジフェアと称し、海外の名門大学の入試担当者を招き、模擬授業も行っている。そういった一連の取り組みにより、海外への進学は遠い世界の話ではなくなっている。
かつてはアジアトップだった東大は、英国の教育専門誌タイムズ・ハイヤー・エデュケーションの「世界大学ランキング2019年版」で42位。アジアトップは、中国の清華大学(22位)だった。

勉強する充実感を味わってほしい

一方、娘を持つ東大母は「東大には入ってほしい」けれど、一抹の躊躇もあるのだという。

東大文学部を卒業した会社員の女性(47)には、中学生と高校生の娘がいる。それぞれ中高一貫の中堅女子校に入学させた。両校とも東大合格者は数年に1人出る程度で、合格までの道は遠い。それでも「東大に入ってほしい」と、東大の魅力を娘たちにアピールしている。

「私自身は御三家女子高の出身で浪人して東大に入学しました。受験勉強した日々も、東大での4年間も充実した時間でした。勉強した充実感を娘にも味わってほしくて、『東大を目指してみたら』と事あるごとに東大の利点を言い続けていますが、本人はなかなかやる気になってくれないし、成績も伸びません。
私立文系でいいと言っていますが、もう少し頑張って高いところを目指してほしい。 東大卒の学歴はあって損じゃないですから、いけるのならば、東大にいってほしい」

夫も東大だが、「無理は禁物」とくぎを刺されている。
一方で、本当に東大でいいのか、という思いもあり、自身の中でも揺れている。同級生の中には、卒業後に一般企業に勤めたものの、途中で辞めて、医師を目指して他大学の医学部に入り直した女性も3人いた。

「結局、東大で何かを得られたわけでもなく、明確な意思が出てきたのは卒業後。そう考えると、東大にこだわることもないのかと思います」

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最終更新:1/12(土) 15:45
BUSINESS INSIDER JAPAN

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