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日本、デジタル課税のルール作り難航も G20加盟国の足並み揃わず

1/13(日) 22:00配信

産経新聞

 今年、日本が議長国を務める20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議で目指している大手IT企業のデジタルサービスへの課税ルール作りが、難しい情勢となっている。英仏などが独自の「デジタル課税」に動き、参加国の足並みが乱れ始めているためだ。6月に福岡市で開催される会議で着地点を見いだせるか、予断を許さない。

 「デジタル化に伴う課税原則の見直しについての議論とともに、租税回避・脱税への対応に取り組む」。麻生太郎財務相は昨年12月、アルゼンチン・ブエノスアイレスでのG20首脳会議(サミット)終了後の記者会見で、ルール作りを目指す意向を表明した。

 ルール作りは、グーグルやアマゾン・コムなど大手IT企業が国境を越えた事業活動で巨額の利益を上げながら、現行の国際税制では適正な課税ができていないことが背景にある。EU欧州委員会の調べでは、従来型企業の法人税支払いは収益の23.2%だが、大手IT企業は9%程度だ。

 G20や経済協力開発機構(OECD)での議論を通じ2020年までのルール確立を目指しているが、巨大IT企業を擁する米国や中国は反発。EU欧州委は昨年3月、一定規模のIT企業について加盟国ごとの売上高に3%課税する案を示しルール作りを進めてきたが、一部の国の反対で年末までの合意を延期した。

 こうした中、昨年12月にはフランスのルメール経済・財務相が今年1月からインターネットの広告売り上げなどに課税する意向を表明。英国も来年4月から独自の課税を実施する計画を発表し、スペインなども検討を進めている。

 ただ、日本は売上高への課税方式には慎重だ。流通の各段階で二重三重に課税され、税金が累積する問題があるからだ。日本はG20で意見の取りまとめを目指すが、野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは「EU内ですらまとまらない議論を米国も加わるG20でまとめるのは不可能だろう」と話す。

 大和総研の金本悠希主任研究員も「日本としては国際税制を今の時代に合わせて変える必要があるという筋論で説得するしかない」と話した。

(蕎麦谷里志)

最終更新:1/13(日) 22:27
産経新聞

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